【MLB】WBC参加表明のアストロズ・青木宣親。世界一連覇を知るチーム最年長が侍ジャパンにもたらすメリット
NPBは12月21日に青木の侍ジャパン入りを発表した。
2016/12/25
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青木加入の効果
それにしてもなぜ、青木はここまで日の丸を背負うことにこだわったのだろうか。WBC参加は2大会ぶり。2006年の第1回、そして2009年の第2回大会で日本代表のレギュラーとして活躍し続け、チームを連覇に導いた立役者だ。
しかしながら自身が不参加だった2013年の第3回大会で侍ジャパンはサンフランシスコのAT&Tパークで行われた準決勝でカルロス・ベルトランやアレックス・リオス、ヤディアー・モリーナら蒼々たるメジャーリーガーの面々を主力に揃えたプエルトリコ代表チームの前に完敗。この第3回大会では日本人メジャーリーガーが初めて1人も参加しなかったこともあって、あらためて国際試合における「経験値の高い実力者」の必要性が指摘されていた。
次のWBCにおいても日米の両メディアの間で「日本人メジャーリーガーの参加は難しい」との見方が広まっていたのは紛れもない事実だ。だが、仮にそうなれば第3回大会の二の舞を演じることも侍ジャパンの面々は可能性として覚悟しなければならない。
しかも昨年11月に行われた国際大会「プレミア12」の準決勝・韓国戦での惨敗が未だ尾を引きずる形でネット上における小久保裕紀監督への批判は残念なことに沈静化しておらず、2大会ぶりの世界一奪回を期待する声もそう多く聞こえて来ないのが現状である。その状況に〝元侍〟の青木はもどかしさを感じていたはず。それがアストロズとの契約が決まったとほぼ同時に「勇気ある決断」へとつながったのだろう。
侍ジャパンの外野はすでに飽和状態との指摘も確かにある。しかしながら青木の参加はグラウンド以外の部分でもプラス要素を呼び込む。第1、2回のWBCで日の丸を背負い、チームを連覇に導いた唯一の代表メンバーとなるからだ。
それまでチーム最年長だったソフトバンク・内川聖一と同じ1982年生まれとはいえ、学年でいえば早生まれで1つ上。それだけにチームリーダーおよび精神的支柱としての期待もかかる。来年1月で35歳を迎えるベテランメジャーリーガーには、いまひとつ明るい材料が見えにくくなっていた侍ジャパンをさまざまな面で活性化させる要素がぎっしりと詰まっている。