【MLB】今季のイチローは「過大評価」? 42歳で打率.291、アジア人初3000本安打達成も
米大手メディアが今季大きな話題を呼んだ選手や出来事を再評価。アジア人初の3000本安打やメジャー通算500盗塁を達成と記録ラッシュとなったイチローに対しては「過大評価」と評している。
2016/12/29
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4番手の外野手としては申し分ない
グラウンドでの成績にも同じことが言える。42歳のシーズンに143試合に出場し打率.291、10盗塁、守備防御点+6を記録したのは巷で言われるとおりまさにレジェンドというべき快挙だ。若手選手に見本として与える影響力も大きいだろう。
しかしwOBAやwRC+といった攻撃面での総合指標は平均以下。fWAR(走攻守の総合指標。何勝分の価値をもたらしたのかを表す)も1.4でチーム10位タイでしかない。年齢や目に見えない影響力を除けば、4番手の外野手としては申し分ないが、4番手の外野手以上ではないというのが正しい評価だろう。
逆に言えばイチローが一部から「過大評価」と見られるほどの注目を集める存在であるともとれる。2001年のマリナーズ入団以降16年が経っているが、依然そのプレーや神秘性はアメリカのファンを惹きつけ続けているということが今年の騒動で改めて証明された。
イチローとは逆に「Over-hated(過小評価)」の評価を受けたのがヤンキースのジョー・ジラルディ監督。超高額を費やしているヤンキースを率いながら4年間で地区優勝は0。日本でも田中将大が在籍していることもあり、その采配が批判の的となることも多い。
一方で今季あげた84勝は、ピタゴラス勝率(得失点差から算出する勝率)の79勝を5勝上回っている。主力の高齢化や故障、さらに今季は再建による主力の大量放出を経験しながらも、チームを勝ち越しに導いた手腕は評価されていいはずだ。
イチローを上回るメジャー最高齢、投手最高齢の42歳349日での初アーチを記録したバートロ・コロンには、「どれだけ評価しても過大評価ということはない」と最大級の賛辞がよせられている。
出典:Everything we freaked out about in baseball in 2016 by Ken Davidoff in NEW YORK POST on Dec.27 2016