【MLB】田中トレードなら相手はマリナーズのキング? 米メディア「可能性低いが、両選手のニーズは満たす」
オプトアウト条項を持つことからシーズン中にトレードされることを有力視されている田中将大。米メディアでは西海岸のマリナーズをトレード先候補とし、可能性は低いとしながらも相手にはフェリックス・ヘルナンデスの名前をあげた。
2017/01/04
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トレード実現にはいくつかの壁
2017年オフに現行のヤンキースとの契約をオプトアウトする権利を手にしている田中将大。チームが万全の状態でないだけに、現地では昨年度のチャップマン同様に、夏のトレードデッドラインで放出される可能性も高いと見られている。現地メディア『FAN SIDED』も田中の移籍を予想するメディアの一つだ。移籍先の最有力候補としてはマリナーズをあげている。
オプトアウトされてオフにFAとしてしまうぐらいなら、シーズン途中にトレードに出すことで、代わりに有望株を得ようというのはメジャーでは一般的な考え方だ。近年の優秀な先発投手の希少性を考えれば、田中をトレードに出せばトップクラスの有望株を得られるだろう。
一方でヤンキースは田中のトレードに際し、いくつかのクリアしなければならないハードルがある。
The Yankees also will be making another sensible decision before they would even attempt to trade Tanaka. And that would be the level of impact on the standings at the time by trading away their best starting pitcher. Are they in the race, or not. And even if they are in the race, would it make practical sense to trade him anyway, getting a starter of equal or slightly lesser value in return. Tough choices, but they’re ones that the team is obligated to make.
ヤンキースは田中をトレードに出す前に一つの判断を下さなければならない。それはチーム最高の先発投手を放出することがどれだけ人気に影響するかというものだ。田中を放出する時点でヤンキースがもしペナントレース争いをしていたとしても、(田中より契約期間が長く)田中と同等か若干価値の低い先発投手を持ってくることができればトレードの意味はある。厳しい選択だが、彼らは再建中にあるチームだ。
常勝が宿命づけられたヤンキースだけに主力選手の放出という未知の事態に対するファンからの反応は他のチームより強い。今年の大量放出に対しては、ファンも比較的寛容だった。しかしペナントの可能性を残しながらエース投手を放出となれば、同じようにはいかないだろう。
もう一つのハードルとして田中の全球団に対するトレード拒否条項があげられる。これによってヤンキースは田中本人も納得するチームにしかトレードを行うことが出来ない。このことから記事では「シーズン中に起こるトレードに対して、ヤンキースは最小限の主導権しか持っていない」とし、トレード先候補として西海岸のチームをあげている。
西海岸はニューヨーク等の東海岸と比べて日本からも近く、日本人コミュニティーも多い。また気候も温暖で過ごしやすい。近年はあまり見られないものの、90-00年代にメジャー挑戦をした日本人選手はこれらを理由に西海岸でのプレーを望むケースが多く見られた。