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【MLB】カージナルス、ハッキング問題で上位選手の指名権譲渡のペナルティ。超有望株獲得が不可能に

2017/02/01

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Getty Images



 セントルイス・カージナルスの元スカウト部長である、クリストファー・コレア氏がヒューストン・アストロズのシステムに不正アクセスをしていた問題で、カージナルスにペナルティが課されることになった。
 
 コレア氏は既に連邦裁判所で禁錮46か月の判決を受けており、MLBからは永久追放処分を受けている。同氏はアストロズのメールやデータベースに不正アクセスを行い、スカウティングレポート、トレードの提案等を入手していたと見られている。
 
 セントルイスの地元紙『ポスト・ディスパッチ』では、1月31日付でこの件について報じている。記事では、ペナルティの内容を以下のように伝えた。
 
・今年のドラフト上位2名の指名権譲渡(全体56番目と75番目)
・30日以内にアストロズに200万ドル(約2億3000万円)を支払うこと。
 
 このペナルティにより、カージナルスは今年のドラフトで上位選手の指名が不可能となった。アメリカのドラフトでは、日本と異なり40巡目近くまで選手を指名するため、1000人を超える選手が指名される。そのため、選手の指名自体は可能であるが、超有望株の獲得は非常に難しくなった。MLBを代表する選手は上位指名が多く、上位選手の指名権を譲渡することは、将来のスター候補を獲得する上で大きな痛手となる。
 
 また、カージナルスは既に今オフ、FAのデクスター・ファウラー外野手を獲得する際、クオリティング・オファーを断って選手を獲得した際の取り決めで、ドラフト30番目の指名権をシカゴ・カブスに譲渡しているため、今回のペナルティと重ね合わせて、全体94番目まで指名が出来なくなっている。
 
 アストロズにとっては、カージナルスの2巡目、3巡目の指名権を得ることが出来たため、有望株を多数獲得出来るチャンスを得たことになる。
 
 裁判ではハッキングは組織ぐるみの犯行ではないとされたが、カージナルスは従業員の行動に関して責任を負わなければならないため、MLBはペナルティを課すことを決定した。
 
 この裁定について、カージナルスのビル・デウィットオーナーは「コミッショナーの意思を尊重します」という声明を出しており、またアストロズも裁定を受け入れる声明を出している。
 
 発覚からペナルティ付与まで1年半近くかかったが、ようやく事態は沈静化を迎えることが出来そうだ。



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