WBC米国代表、悲願の初優勝へスーパーエース級不在も強力投手陣形成。その注目選手は?
2017/02/07
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WBC初優勝を狙う米国代表。豪華野手陣に注目が集まるが、投手陣もスーパーエースが不在ながら、強力な陣容となっている。
オークランド・アスレチックスのエースであるソニー・グレイ、タンパベイ・レイズでエース格のクリス・アーチャー、ワシントン・ナショナルズのターナー・ロアークを中心に、クリーブランド・インディアンスのアンドリュー・ミラーを中心とした豪華ブルペン陣が脇を固める。
グレイは、昨季5勝11敗、防御率5.69という成績であったが、2014、2015年は2年連続で14勝を上げ、特に2015年にはオールスター出場、サイ・ヤング賞投票で3位に選出される大活躍を見せた。
昨季は不調にケガも重なり精彩を欠いてしまったが、ケガから復調していれば、大会屈指の先発投手となることは間違いない。2013年のポストシーズンでは、2011年サイ・ヤング賞投手、ジャスティン・バーランダーとの投げ合いを制し「驚異のルーキー」と称され全米で話題になった。
アーチャーは、160キロ近くの速球とスライダーを主な武器とする速球派の先発投手である。昨年は味方の無援護、自身の不調が重なりリーグ最多の19敗(9勝)を喫したが、リーグ2位の233奪三振、201回1/3を投げている。打線の援護に恵まれないタイプであるが、三振を奪う能力は非常に高く、本戦でも多くの三振を奪いチームに貢献することが出来るはずだ。
ロアークは、先発としての活躍が期待されているが、状況によってはリリーフも出来る器用な投手である。2015年はチーム事情でリリーフに回っていたが、2016年には先発に復帰、16勝10敗、防御率2.83、210回という成績を残した。150キロ台中盤の速球をメインに、スライダー、カーブ、チェンジアップを武器としている。安定感はチーム随一なだけに、先発陣の軸としての活躍が期待されている。
ミラーは、MLB屈指の救援左腕である。昨年は74回1/3で123奪三振、防御率1.45と、三振の山を築いた。速球とスライダーの2球種を武器としており、それ以外の球種はほぼ投げないが、高い制球力と球質の高さで三振を量産している。また、ポストシーズンにも非常に強く、WBCのような短期決戦でも経験が活かされるだろう。
さらに、ブルペン陣はミラー以外も粒揃いな陣容となっている。昨季38セーブを上げたタンパベイ・レイズのサム・ダイソン、ボルティモア・オリオールズに所属する最速158キロの横手投げ右腕マイケル・ギブンズ、ヒューストン・アストロズのルーク・グレガーソンなど、各球団の誇る強力な救援投手が集結している。
昨季サイ・ヤング賞のマックス・シャーザー、リック・ポーセロを筆頭に、各球団のスーパーエース級の選手は参加辞退が多いが、それでも戦力が充実している米国代表。強豪揃いのグループCを勝ち抜き、悲願の初優勝を目指す。