青木、イチロー、川﨑……日本人野手それぞれの決断
アメリカでプレーをする2人の日本人野手の去就が決まった。世界一を目指す者、同じチームで再び挑戦する者……それぞれ強い思いをもって、2015年アメリカでプレーを続ける。そしてイチローの移籍も間もなく、決着がつきそうだ。
2015/01/20
Getty Images
お金よりも、アメリカ!
熱狂的な地元トロントのムネリン・マニアたちから残留を大歓迎されたのが川﨑だ。自身の公式ツイッターでは日本語と英文で、喜びのコメントを発表した。
「今年もメジャーリーグでプレーできるチャンスをくれたブルージェイズには本当に感謝しています。一心不乱にベースボールを楽しむことを誓います!チェスト!」
昨季終了時には「日本もアメリカも、両方視野に入れている」と日本球界復帰の可能性も示唆した。実際に古巣ソフトバンクやオリックスはラブコールを送っていた。ソフトバンクの王貞治球団会長はテレビ番組内で「うちでやろうと何度も声を掛けたんですが、アメリカでやりたいんですね」と落胆した様子。メジャー昇格を果たせば別だが、マイナー契約では年俸1000万円にも満たないことがほとんどで、提示していた条件はその10倍以上だったとも明かした。
近年はメジャーで評価の厳しい日本人内野手だが、川﨑は12年から3年連続でマイナー契約からのメジャー昇格、定着を果たしてきた。昨季はメジャー挑戦後自己最高の打率.257を残し、守備では二遊間だけでなく慣れない三塁もそつなくこなした。在籍3年目となるブルージェイズはその実力を把握しており、メジャーベンチ入りの25人という枠にとらわれない、確実な戦力として川﨑のことを必要としていた。
昨年チームでは川﨑が最も多い49試合に先発出場した二塁手は、未だレギュラー不在の状況。昨季打率.213の26歳ライアン・ゴーインズ、同.241の31歳スティーブ・トーレソン、故障明けのベテラン34歳メイサー・イズタリスと争うが、勝算は多いにある。チーム内にはオフにタイガースからトレードで獲得した実績のないプロスペクトの24歳デボン・トラビスを推す声もあるほどだ。
現地18日付の報道では、ヤンキースからFAとなったイチローに対し、マーリンズが2年契約を準備していると大リーグ公式サイトが伝えた。青木、川﨑に続き、こちらの決着もそう遠くはなさそうだ。
そろって去就先決定まで越年した日本人野手3人。戦いの場を移す者、腰を据え挑戦を続ける者、記録という限界へ挑む者とその戦いは三者三様。2月が迫り、いよいよ2015年日本人大リーガーの勢力図が輪郭を帯びてきた。