【MLB】なぜ全米が騒然? 故障報道が物語るイチローの真の価値とは
マイアミ・マーリンズのイチロー外野手が、スプリング・トレーニング招待選手のブランドン・バーンズ外野手と21日に交錯し、一部の練習をキャンセルした。これまでイチローはさほど大きなケガはしていないが、過去にも別メニュー調整をしたことがある。
2017/02/22
Getty Images
気落ちしたバーンズにイタズラ
マーリンズのイチローが21日、守備練習中に味方外野手と交錯した。
右中間への飛球を中堅の位置から追ったイチローは、右翼から突っ込んできた招待選手のバーンズと接触。右足を押さえてその場に倒れ込んだという。立ち上がり守備練習をこなした後、予定していた打撃練習はキャンセルした。
大事には至っていない模様だが、今後数日間は患部の状態次第で別メニューとなる可能性はある。ところが、これに必要以上に反応したのが地元マイアミのメディアだった。
球団公式HPは「イチローが医務室直行を余儀なくされた。故障知らずの彼のキャリアではこんなことは初めてのことだ」と報道。多くの番記者たちが、「イチローが右膝を痛めた」「イチローが腰をひねった」とツイッターで速報し始めたのだ。
後にイチローはメディアに対応。公式HPは「衝撃が腰にはきたかな。明日の状態を見てみます」「何人か選手が来て写真を撮っていたよ。トレーナー室に僕がいるのを、彼らは見たことなかったからね」とユーモアも交えた本人のコメントを掲載した。
さらに気落ちしたバーンズをおもんぱかっての悪ふざけも。「おまえはクビだ」と書かれたメモにイチローのサインを添え、同僚のディー・ゴードン内野手がバーンズのロッカーに置いてきたという。バーンズの荷物をダッフルバッグに収め、ロッカー前に並べる念の入り様で「それで(笑って)少しでも彼の気が楽になれば。落ち込んでいるだろうから」とメジャーならではかつ43歳のベテランらしい気配りをみせた。
当のバーンズは「本当にまずいことをしてしまった」と平身低頭。「彼はレジェンドなんだ。こんなことになるなんて……。しかもまだキャンプは5日目だっていうのに」とすっかり参った様子だった。