【MLB】田中将大のサイ・ヤング賞が現実的に。米メディアも期待「ファンは夢見てもいい」「ヤンキースの今季は田中次第」
米国に渡り、今季で4年目となるニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手。右肘手術明けだった昨季は移籍後最多の14勝をマークするなど、常に懐疑的だった現地メディアの見方を実力で変えさせた。そんな田中のサイ・ヤング賞獲得が現実味を帯びてきた。
2017/03/15
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田中の成績がチームに直結
初回先頭から6者連続三振を奪い、4回を完全投球だった3月11日のデトロイト・タイガース戦を観戦した同氏は「格下打線相手とはいえ、サイ・ヤング賞投票で7位だった昨季のものを上回り、間違いなくエリートのそれだった」とレポート。田中自身も認めたようにツーシームがよく動いていたことと、ネット裏のスコアラーはスライダー、カーブなど球速の低い変化球の制球が特に優れていたことを指摘していたと伝えた。
田中の登板はここまで全て本拠地。敵チームにとっては遠征になり、主力は帯同しないことが多い。加えてこの時期までは投手の方が打者より仕上がりが早く、投高打低の傾向になりがち。田中自身も同氏の取材に「好打者はWBCに出ていて不在だし。今の結果に目を向けてもしようがない」と答えている。
それでも右肘手術明けだった昨年とは雲泥の差。それがデビッドオフ氏の目にも、サイ・ヤング賞が現実的になってきたと見させたのだろう。
昨年は4試合で11回を投げ、16安打、4四死球、9奪三振。9失点で防御率7.36、WHIP1.64だった。
チームの前評判は高くない。「綱渡りのようなヤンキースの今季は、田中1人にかかっている。彼の成績がチームに直結する。ヤンキースファンよ、今は夢見心地でいよう」と結んだ同氏。トミー・ジョン手術は回避し、じん帯部分損傷を抱えたままの右腕に対し、常に懐疑的だった米メディアの目も変わってきた。
まだ開幕前。ただ田中本人も、辛口なニューヨーク・メディアも、サイ・ヤング賞という頂点を現実的なものとして見据えている。