「田中将大に優しすぎる」日本メディアへの違和感。求む”ヤンキースのエース”へのシビアな目
オープン戦好調だったニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が、開幕してから調子を落としている。田中はヤンキースと大型契約を結んでいるだけではなく、日本人初の3年連続開幕投手など、期待度の高さは周知の通りだ。今季3戦目の登板で、ヤンキースのエースとしての活躍を見せられるか。
2017/04/13
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日本のメディアは田中に優しすぎる
お世辞にも快投とは言えない。ヤンキースの田中将大投手が8日(日本時間9日)の敵地ボルティモア・オリオールズ戦で今季2度目の先発登板。5回を投げて6安打3失点はともかくとして、自己ワーストの6四死球を記録する不安定な内容だった。
オープン戦は6試合を投げ、3勝1敗、防御率0.42、わずか1失点という素晴らしい成績を残した。しかしながら、いざフタを開けてみると日本人初の3年連続開幕投手を務めた2日(同3日)の敵地タンパベイ・レイズ戦は2回2/3を投げ、8安打7失点で負け投手になった。自責点7はメジャー移籍後、自己ワースト。期待を大きく裏切る背信投球に終わったヤンキースのエースに米メディアは厳しい論調を向け、続けてパッとしなかった2戦目登板についても一貫してシビアな目で論じていた。
だが、これら米メディアとは対照的に日本のメディアは田中に対してかなり優しい報道が目立っている。先日のオリオールズ戦に関する報道では田中が自己最速の158キロをマークしたことで、その話を肝にしながら展開していく記事もあった。これにちょっぴり違和感を覚えたのは、おそらく私だけではないだろう。制球が大きく乱れ、置きにいく球を狙われて失点した内容にはあまり触れず、まるで目をつぶっているようにも思えた。
特に本来ならば辛口で知られるはずの某メディアは田中を極端な形で祭り上げることがとても多く、彼に関する記事だけはいつものような衝撃的な裏ネタもほとんど見られない。美辞麗句ばかりの“安全運転”は取材対象者の田中に嫌われたくないという思いからなのかは定かでない。いずれにしても昔からずっとヘビーユーザーを自負する筆者としては残念だ。