【MLB】開幕から4割本塁打王で大ブレークの“逆輸入男”テームズ「韓国で生き残った」
2017/04/19
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MLBの開幕からおよそ2週間が経過したが、今、アメリカを最も驚かせている男がミルウォーキー・ブリュワーズに所属するエリック・テームズ一塁手だ。18日(日本時間19日)現在、11試合連続安打中で、5試合連続本塁打を含む、7本塁打(リーグ1位)を記録。打率も.426(リーグ1位タイ)、打点12(リーグ3位タイ)、20安打(リーグ3位タイ)ととにかく打ちまくりだ。
このテームズ、実は昨季まで韓国野球でプレーしていたのである。MLBで期待されながらも活躍できず、韓国に場を移したテームズは、地球の裏側で才能を開花させる。韓国球界2年目には驚異の打率.381、47本塁打、140打点、40盗塁を記録し、アジア史上初となる40本塁打、40盗塁を達成。さらにリーグMVPを獲得し、韓国のファンからは「神」というニックネームまでつけられたほどだ。
本人が語るように日本行きも噂されていたが、2016年シーズンオフにミルウォーキー・ブリュワーズが3年1600万ドル(約17.4億円)で逆輸入。2013年以来のMLB復帰が決まった。
そのテームズであるが、『USAトゥデイ』のインタビューで、スプリットやカーブボールといった球種が多い韓国野球に対応するために「選球眼を上げボールを我慢する方法を学んだ」と答える。「それをここでもやっているんだよ。何故ならストライクゾーンは広いし、球もさらに切れるからね」
ブリュワーズのGMのデビッド・スターンズも「韓国で多くのボール球になる変化球を見てきたことが良かった」と語る。彼は韓国に行く前のテームズも知っているが、「打者として本当に大きく進化した」と驚く。
また、二度目のMLB生活に対応する秘訣として、テームズは「自分にプレッシャーをかけすぎるので、瞑想やメンタルトレーニングの本を読み、心の平和を勉強している。結果を心配せずに過程に集中している」とも明かした。
一方で、韓国で生き抜いた力も彼の自信となっているようだ。「みんなが自分は赤ちゃんみたいに韓国語を話すとジョークを言っていたけど、韓国でそれを乗り越えて、生き残ったんだ。自分の自信、スイング、気持ち、すべてが今は違うように感じる。今の自分は最初にMLBにいたあの頃とは違うんだ」
異国の地で生き抜いたテームズは、米国で生き生きとプレーしている。今、最も注目を浴びている男がどこまでやれるのか注視したい。