メジャー通算500盗塁へ イチロー、価値あるもう一つの“足”の金字塔
安打数にまつわる2つの大記録に注目が集まるイチロー。しかし、もう一つ達成間近の大記録がある。それはメジャー通算での500盗塁だ。抜群の成功率を誇るイチローだけにその記録の価値は非常に高い。
2015/02/08
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通算500盗塁まで、あと13。数字に表れない本当の価値
マーリンズで2015年の開幕を迎えるイチロー。日本人選手未踏の地であるマーリンズでのデビュー、躍進が期待されるチームでどんなプレーを見せるのか。やはり注目が集まるのは、メジャー通算3000本安打、安打数歴代1位のピート・ローズ越えとなる日米通算4256安打という2つのマイルストーンだろう。3000本安打までは残り156本、そしてピート・ローズ越えまでは残り134本。今期中の達成は難しいと見られているがどこまで近づけるだろうか。
安打数に注目が集まるのは当然だが、実はイチローにもう一つ達成間近となっている大記録があることはあまり報じられていない。
達成まで残り13と迫ったメジャー通算500盗塁だ。
メジャーで通算500盗塁を達成しているのは1406盗塁のリッキー・ヘンダーソンを筆頭に37人。達成者の名前を見ると「球聖」と呼ばれたタイ・カッブやカージナルスの切り込み隊長ルー・ブロック、エクスポズやホワイトソックスで活躍したティム・レインズら長期にわたりリードオフマンとしてチームを支えた選手たちが並ぶ。
達成者の平均プレー年数は17.8年、盗塁のセンスがあるだけで達成できるものでは決してない。天性の脚に加えて上位打線を任せられる打力、長い年月をプレーできる継続力を兼ね備えた選手だけが手にできるマイルストーンだ。
500盗塁の達成者37人に対し3000本安打を達成しているのは、昨年引退したデレク・ジーターを含む28人だ(おそらく現在2931安打のアレックス・ロドリゲスも、今季中の達成が予想される)。安打と盗塁の価値の違いこそあれど、記録の傑出度としては、ほとんど変わらないことがわかる。