通算4256安打も賭博行為で永久追放 ピート・ローズの処分解除はありか?【豊浦彰太郎のMLB on the Web】
野球賭博で永久追放処分のローズを復権させる可能性をコミッショナーが示唆した。今になって処分を解除する理由は何だろう。解除されなくても、かつて日本のファンに大リーグの魅力を存分に伝えてくれたことには変わりない。
2015/02/08
永久追放処分が解除される可能性も?
70年代以降、日本でMLBファンが大きく増えたきっかけが3度あったと思う。
まずは、1977-78年。77年にNHKがワールドシリーズを中継し、翌年からフジテレビがレギュラー放送を始めたのだ。次は、95年の野茂英雄のドジャースデビュー。そして、01年のイチローのマリナーズ入団だ。
95年や01年とは異なり、77-78年の第1期では日本人選手が不在だった。ブームが長続きしなかったのはそれが原因だと思うが、その時期に洗礼を受けた私のようなファンにとって、究極の大リーガーの1人がハッスルプレーで知られた安打製造機ピート・ローズだった。彼は今でも特別な存在だ。
そのピート・ローズが、永久追放処分を解かれる可能性を、ロブ・マンフレッド・コミッショナーは示唆したようだ。すでに、多くのメディアが報じている。
After 25 years of ineligibility, Pete Rose could see his name on the Baseball Hall of Fame ballot in the near future.
MLB’s new Commissioner Rob Manfred might be willing to open the door for possible reinstatement of Rose, who was banned from baseball in 1989.
“I have heard from his lawyer, and I do anticipate having a conversation about that,” Manfred told ESPN Radio on Thursday.
25年間の追放処分期間を経て、近い将来ピート・ローズの名前が殿堂入り投票用紙に記されることになるかもしれない。MLB新コミッショナーのロブ・マンフレッドは、1989年に永久追放処分となったローズ復権のドアを開こうとしているのかもしれない。「彼(ローズ)の弁護士からすでに(復権の)要望は聞いている。そのことについて話し合うことになるはずだ」マンフレッドは木曜日にESPNラジオ局にそう語った。
通算4256安打のメジャー記録を持つローズは、1989年に賭博行為が発覚。賭けの対象には自身が監督を務めるレッズも含まれており、当時のバート・ジアマッティ・コミッショナーに球界からの永久追放処分を宣告され、それを受け入れた。
今回のマンフレッド・コミッショナーの発言は、当然ローズの復権を望むファンの声の高まりも感じてのことだろう。今年のオールスターゲームはレッズの本拠地球場グレート・アメリカン・ボールパークで開催される。そこでの処分解除発表による彼自身のマーケティング効果も考慮されていることは間違いない。