通算4256安打も賭博行為で永久追放 ピート・ローズの処分解除はありか?【豊浦彰太郎のMLB on the Web】
野球賭博で永久追放処分のローズを復権させる可能性をコミッショナーが示唆した。今になって処分を解除する理由は何だろう。解除されなくても、かつて日本のファンに大リーグの魅力を存分に伝えてくれたことには変わりない。
2015/02/08
それでも、ローズには感謝したい
ローズの擁護派の主張は、「賭博行為は八百長などとは違う」「自軍にはいつも勝利に賭けていた」「処分期間も長期になり、ローズも今年74歳になる。もう十分だろう」というものだ。
しかし、賭博は八百長とセットで考えられるべきで、自軍には勝利に賭けていたからいいという理屈は成り立たないのではないだろうか。いわんや、本当に自軍の敗戦に賭けたことがないとはだれも証明できないはずだ。
MLBの野球殿堂には元犯罪者も入っている。60年代を中心に活躍したオーランド・セペダはマリファナの密輸に関与した罪で服役したが、その後殿堂入りを果たした。これは当然だと思う。彼は罪を犯したが、服役により法的、社会的にそれを償ったからだ。
野球賭博行為は別物だ。この競技に対する冒涜行為であり、そもそも89年の処分判断を是とするなら、今になってそれを解除する理由は見当たらない。
「ローズが特別の存在だったと言いながら、ずいぶん冷たいじゃないか」と思われるかもしれない。この考えには矛盾はない。私は心底ローズを愚かな人物だと思う。一方で、このことは彼が極めて優れた野球選手であることとは別物だ。
彼が永久追放処分のままであっても、私をはじめ同年代のファンに大リーグの魅力を存分に伝えてくれた事実に変わりはないし、そのことには心から感謝している。
彼を復権させる必要は全くないと思っているが、今でも自信を持ってこう言える。
“I still love you, Pete.”
出典 : “MLB commish on Rose’s Hall eligibility : It’s a conversation I’m expecting to have” @ FOX Sports by Lindsey Foltin in Feb. 5th 2015