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データから見た、「2015年のイチローが活躍する」3つの理由【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、3つのデータからイチローの2015年を占ってみた。

2015/02/09

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インターリーグに強いイチロー

 イチローがニューヨーク・ヤンキースからマイアミ・マーリンズに移籍した。大都会の名門チームから、リゾート地の新興チームへ。180度違うカラーのチームへの移籍だ。
 
 しかも、マーリンズには本塁打王のスタントンをはじめ、売出し中の若手外野手が3人そろっているため、イチローの出場機会が減るのではないか、とも言われている。
 
 しかしデータを細かに見ていくと、2015年、イチローが活躍する可能性は思ったほど少なくない。
 環境が変わる、ライバルも増えるかもしれないが、だからこそイチローの持ち味がいかされる可能性もあるのではないだろうか。
 
 ここではイチローに関する3つのキーワードに基づくデータで、イチローの2015年の活躍を予想してみる。
 
1 ナショナルリーグ
 
 イチローは14年間、マリナーズ、ヤンキースとアメリカンリーグのチームで戦ってきた。今のMLBにはインターリーグ(交流戦)があるから、ナショナルリーグとの対戦経験はないわけではない。しかし対戦数は圧倒的に少ない。
 それが心配の種と言われるかもしれないが……実はイチローはインターリーグにめっぽう強かった。
 
 インターリーグの年度別成績をまとめてみた。OPSは出塁率と長打率の合計、打者の総合指標といわれる。.800を超えれば優秀な数字だ。
 
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 インターリーグでのイチローの通算打率は.321、キャリアの.317を上回っている。この2年やや打率が悪かったが、それを差し引くと、.332まで跳ね上がる。
 
 イチローは、投手の配球や癖を読んで攻略するタイプではなく、投げられた球に反射的に対応する打者だと言われる。「天才」と称されるゆえんだが、それだけに初対戦や対戦数の少ない投手には強い。
 
 MLB移籍1年目で首位打者とMVPを取る活躍ができたのも、それならば納得がいく。
 データが少ない相手との対戦のほうが、逆にイチローにとって有利になるのではないか。

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