MLBルール変更で争奪戦へ 「Next ロビンソン・カノー」の呼び声高い、弱冠19歳のキューバのニュースター
19歳のヨアン・モンカダ。キューバ旋風の吹き荒れるメジャーリーグにまた1人、スターが加わることになりそうだ。国内外で圧倒的な成績を残した彼に多くの球団から熱視線が送られている。
2015/02/11
ルール変更で、一挙に争奪戦へ
これまでキューバ人選手が米国でプレーするためにはOFAC(米財務省外国資産管理室)の許可が必要だった。
しかし今月3日、キューバとの国交正常化を目指すアメリカ政府の意向もありこの規則が撤廃、これにより選手本人の宣誓書さえあればFAとなれるようにルールが変更された。
こうしたルールの変更を受けメジャーリーグ入りを目指していたモンカダも即FA権を取得。メジャー各球団による争奪戦の火ぶたが切って落とされた。
モンカダ獲得に興味を示しているのは最低でも11球団。特に資金力のあるヤンキース、ドジャース、レッドソックスにパドレス、タイガースを加えた5球団が有力な移籍先候補であると報じられている。
争奪戦を複雑にしているのが、2012年の新労使協定で追加されたインターナショナルFAの規則だ。各球団は順位によって設定されたボーナスプール内に契約金を収めなければならず、この設定額を15%以上超過した場合、超過額の100%の罰金に加えて、2年間30万ドル以上の契約が禁止されるペナルティーが発生する。
23歳以下かつキューバのプロリーグでのプレー年数が5年に満たないモンカダには、この規則が適用されるが、予想される契約金は約4000万ドル前後と見られており、確実に各球団の設定額を超過する。つまりモンカダを獲得するためには8000万ドルの資金に加えて次の2年間有力なインターナショナルFAの選手を獲得できなくなるリスクを覚悟で臨まなければならない。
ドジャースら資金力に問題のない球団でも、2つめのペナルティーは非常に大きい。キューバから有力選手の移籍が相次いで起こりえるであろう今後の情勢を考えれば、なおさらだ。
しかし如何なる制約がかかろうともポテンシャル、実績ともに頭一つ抜けているモンカダ獲得へチャレンジする球団は減りそうにない。争奪戦の行方、そしてモンカダがメジャーの舞台でどれほどの活躍を見せてくれるのか。今から非常に興味深い。
出典:”Meet Yoan Moncada, The Next Cuban Baseball Star” by Ben Badler in Baseball America on August 22, 2014