【MLB】早くも2投手が今季10勝到達。抜群の安定感を誇り、サイ・ヤング賞も視野
2017/06/21
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今季、メジャーリーグで早くも10勝投手が2人登場した。ア・リーグとナ・リーグの両方で1人ずつ出ており、今後もこの調子で勝ち星を重ねれば、20勝とサイ・ヤング賞が視野に入ってくることだろう。
1人はロサンゼルス・ドジャースの絶対的エース、クレイトン・カーショウ(29)だ。現役最強左腕と称されるエースは、キャリア初となる長期離脱で成績を落とした昨季の鬱憤を晴らすかのように快調な投球を続けている。球威・制球・変化球・体力・牽制・守備のどれを取っても一級品で、通算9年でサイ・ヤング賞3回、最多勝2回、最優秀防御率4回、最多奪三振3回で通算126勝と圧倒的な成績を記録している。
今季投じた1491球中1015球がストライクと効率よくアウトを奪っていくため、7回を90球前後で0~2失点にまとめることが多い。また、チーム状況によっては100球近くで9回を完投することもある。圧倒的な実力で開幕から中4日のローテーションを守り続けており、首脳陣・同僚・ファンから絶大な信頼を寄せられている。
カーショウの今季成績は以下の通り。
15試合 103.1回 10勝2敗 79被安打 115奪三振 17四球 防御率2.61
そして、もう1人はカンザスシティ・ロイヤルズのジェイソン・バルガス投手(34)だ。最速140キロ台中盤の直球・ツーシームと球速はMLBでも遅い部類に入るが、一級品のチェンジアップを主に、カッター・カーブなどを用いて打者を翻弄する技巧派だ。通算11年で2桁勝利は3回、67勝70敗で防御率4.18とMLBで並レベルの先発投手だったが、トミー・ジョン手術から復帰して完全復活。34歳ながらキャリアハイを狙える好成績をマークしている。
昨季は手術の影響で3登板にとどまったが、少ない試合で好投を見せ、今季の復活に期待が寄せられていた。そして、今季は開幕から絶好調。4月に3勝、5月に3勝、6月には4勝と堅実に勝ち星を積み重ね、4失点以上を喫したのは2回のみと抜群の安定感を見せている。
チームは開幕直後にア・リーグ中地区最下位に沈んでいたが、バルガスの奮闘もありチームは3位まで浮上。首位のクリーブランド・インディアンスも射程圏内に入った。
今季のバルガスの成績は以下の通り。
14試合 87.1回 10勝3敗 79被安打 68奪三振 20四球 防御率2.27
この2人の他にも、ボストン・レッドソックスのクリス・セール、ミネソタ・ツインズのアービン・サンタナ、ヒューストン・アストロズのダラス・カイケル、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのザック・グレインキー、ワシントン・ナショナルズのマックス・シャーザー、スティーブン・ストラスバーグなどが好成績を残しており、ハイレベルな争いが繰り広げられている。