マーリンズは外野を4人で回す? イチローに十分出場のチャンスあり!【田口壮の眼 第3回】
オリックス時代にはイチローとともに日本一に輝き、その後メジャーリーグではマイナーからすさまじい努力でメジャー昇格を果たし、カージナルス、フィリーズで世界一に輝いた野球解説者・評論家の田口壮氏。そんな田口氏に2015年のMLBをたっぷり語ってもらいました。第3回はイチローをはじめ、日本人野手について伺いました。
2015/02/23
マーリンズは外野を4人で回していくのではないか?
――さて、野手陣です。イチローは出場機会が限られてくると思いますが。
田口 今季のマーリンズの外野は、オズナが右でイエリッチが左、スタントンが右で、4番目の外野手のイチロー選手が左。非常にバランスがいいんです。若手の3人をレギュラーに置くのは確かですが、イチロー選手にチャンスがないわけではありません。彼らは若い。実績がないので計算することは難しいと思います。将来的に若い3人をレギュラーで固定したいというチームの思いはあるでしょうが、スタントンと大型契約を結び、ドジャースから盗塁王のゴードンを獲得し、イチロー選手も入れたわけですから、目指すは当然優勝。ワールドシリーズ制覇までと考えると常にベンチに入っている選手をフレッシュに保たなくてなりません。それを考えると外野を4人で回していくのではないでしょうか。
――なるほど。
田口 つまり9月、10月に若い3人をフルで働かそうと思えば、シーズン中、週1回は休ませなければなりません。休んだ穴にはイチロー選手が入ります。3人が週1回ずつ休むとすれば、イチロー選手は週に3回先発をする。すると12打席。それに代打、ダブルスイッチで必ず機会がある。つまり、イチロー選手は週に15打席は回ってくるでしょう。月60打席、シーズンでは360打席くらいにはなるのではないでしょうか。インターリーグでDHで出場すれば打席数はさらに上積みされます。その中で若い外野陣がもたもたしていたらポジションを奪ってしまうこともあるでしょう。アメリカンリーグはDHが入るので、ラインナップを9人決めたら、そのまま通します。しかし、ナショナルリーグはキャッチャーのバックアップを除いて野手の控えは4人、この選手をいかにうまく使いながらシーズンを乗り切っていくか、なんです。
――田口さんはその役割をずっと続けていたんですね。
田口 はい、僕は4番目、5番目の外野手をずっと続けてきました。まずは、開幕して監督がどういう使い方をするかに注目していきたいです。