松坂、ダルビッシュらポスティング移籍組と同じ? リスクを伴うキューバ・モンカダの契約
レッドソックスが注目を浴びていたキューバのヨアン・モンカダと3150万ドル(約37億4900万円)で契約合意に至った。その契約金額や過程はポスティング・システムによる移籍と類似性が高いと指摘する意見がある。
2015/02/26
Getty Images
ポスティングとの類似性
12年1月にレンジャーズがダルビッシュと交わした契約は総額5600万ドルだったが、彼らは5170万ドルのポスティングフィーを北海道日本ハムに支払っており、彼の獲得コストはレンジャーズにとって1億770万ドルだった。その後のダルビッシュの大活躍を考慮すると、むしろリーズナブルな金額だったと言える。しかし、契約時点ではMLBでの活躍に何の保証もなかった。
その点では、年齢的にメジャーでの本格的なブレイクは数年後と見られているモンカダ(いきなり活躍できるとの見方もある)にペナルティも辞さずとレッドックスが高額条件を提示したのは、投手と野手の違いこそあれ似通ったものがある。
もっとも、契約額の倍のコストを投じてでもモンカダを獲得しようとした球団は、レッドソックス、ヤンキース、ドジャースら計5球団ほどだったと伝えられている。昨年11月にモンカダが亡命先のグアテマラで行ったデモンストレーションには全30球団のスカウトが訪れたようだが、実際にそこまでの投資に踏み切れる球団は決して多くはなかったということだ。その点でも、「金持ち球団のためのシステム」と中小規模市場の球団から批判された旧ポスティング・システムとの共通点はある。
なお、ポスティング・システムは13年オフに改定され2000万ドルの上限金が設定された。そして結果的に抑制されたポスティングフィーで発生した余剰資金は、その後の契約交渉での選手への契約条件に充当された。加えて、新制度では上限金額を指した球団が複数の場合はそこから先は自由競争となったため、田中将大の契約は1億5500万ドルまで跳ね上がった。改定後も、ポスティングは富める球団のための制度である点は変わりないようだ。
出典:”Why $63 million for Yoan Moncada makes sense” @ fangraphs by Dave Cameron in Feb. 23rd 2015
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