【MLB】クリス・セール、21世紀5度目の300奪三振も視野。21試合中14試合で2桁奪三振記録
2017/07/28
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今季からボストン・レッドソックスにトレードで移籍して目覚ましい活躍を続けているクリス・セール投手(28)。細身な体格から最速100マイル近くの速球、チェンジアップ・スラーブなどを駆使して三振を量産する剛腕投手だ。長い腕をコンドルのように横に伸ばすというフォームの特徴から「The condor」の愛称で親しまれている。
今季は開幕から安定感抜群の投球を続け、21試合で148回1/3を投げて13勝4敗、211奪三振、27四球、防御率2.37、Whip(1回あたり何人の走者を出したか表す数値)は0.88を記録。
21試合中14試合で2桁奪三振を記録している奪三振数に関しては特に群を抜いており、2位のクリス・アーチャー(レイズ)に44の差をつけてア・リーグトップの成績を残している。奪三振率は12.80、四球率は1.64という数字を残しており、3.5を超えていると優秀といわれる制球力を表す指標のK/BBも7.81と非常に高い数値をマークしている。
そして、本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合を示すBABIPも.287と平均値近くに推移しており、今後大崩れする不安もあまりなさそうだ。一般的にBABIPは運の要素が高いことで知られており、この場合、セールは運に関しては可もなく不可もないといった数字になっている。
そして、現在211奪三振を記録しているセールには、21世紀5度目となる300奪三振への期待が高まっている。21世紀以降、300奪三振を記録したのは2001~2002年のランディ・ジョンソン、2002年のカート・シリング、2015年のクレイトン・カーショウの3人となっており、ジョンソンが2001年に記録した372奪三振は21世紀以降で最多となっている。
現在のペースではジョンソンの記録を抜くことは難しいが、カーショウ以来2季ぶりとなる300奪三振の達成は現実味を帯びてきている。
昨季はオールスター前までに14勝を上げていたが、後半戦は失速し3勝6敗、防御率3.56という成績に終わったセールだが、今季はオールスター後も安定した投球を続けており、7月は防御率1.04で3勝1敗とむしろ調子を上げてきている。
昨季、後半戦で失速したが、今季はここまで調子を崩さず自身初の地区優勝、サイ・ヤング賞に向けてペースを上げてきた剛腕・セール。今後もメジャーの誇る”ドクターK”の活躍から目が離せない。