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ヤンキースのエースとして期待される理由 田中将大の驚異的なQS達成率【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、田中将大のQS達成率の高さだ。2年目ながら、ヤンキースのエースとして期待される理由がよくわかる。

2015/03/03

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Getty Images



故障明けの田中に寄せられる大きな期待

 2012年からMLBに移籍した2014年にかけて、田中は50先発連続QSというすさまじい記録を打ち立てている。
 楽天時代の2012年8月19日の西武戦で5回を投げて6失点してから、ヤンキースに移籍した2014年の7月3日のミネソタ・ツインズ戦で7回を投げて4失点するまで、およそ2年間、ずっとQSをキープしたのだ。これは空前絶後だ。

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 MLBだけでいえば新人デビューから16登板連続QSは、1973年のスティーブ・ロジャースに並ぶタイ記録だ。
 田中のQSが途切れた試合、すでに右ひじに違和感があったようで、その次の登板を最後に故障者リストに入った。
 しかし1年目の成績は、強烈な印象を残した。

 ニューヨーク・ヤンキースは今季も、一昔前のようなド派手な補強は行っていない。今季の予想される先発陣の昨年の実績を見てみよう。

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 昨年の成績でいえば、フロリダ・マーリンズから移籍したエオバルディが最も多く投げているが、QS%は60.6%になる。
 昨年、日米野球で日本に来たカプアーノは、昨シーズン途中にレッドソックスからヤンキースに移籍した。レッドソックスでは救援投手だった。ウォーレンは救援投手だったため、昨年は1度も先発していない。ピネダはトミー・ジョン手術明けだ。
 そして2009年に7年1.61億ドルという当時の投手史上最高の大型契約で入団したCCサバシアは契約最終年の今年、膝の手術明けである。
 ノヴァは、早くから先発投手として期待されていたが、昨年は成績が伴わなかった。

 もちろん田中将大も故障明けではある。しかし、この表と現在の先発陣の状況を考えると、大きな期待がのしかかっていることは明らかだ。
 2年目の田中将大は、どれだけQSを積み上げることができるだろうか。日本のファンだけでなく、ニューヨークのファンも固唾をのんで見守っている。

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