【MLB】4年連続200安打に挑む167センチの小兵・アルトゥーベ。7月打率は驚異の.485で月間MVP
2017/08/07
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ヒューストン・アストロズのホセ・アルトゥーベ内野手(27)の打棒が止まらない。身長約167センチとMLB屈指で小柄な体格だが、昨季は216安打を記録して3年連続最多安打、打率.338で2度目の首位打者のタイトルを獲得した。
そして、今季は105試合に出場して打率.361(418-151)、16本塁打、62打点、24盗塁、出塁率.422、OPS.991と打棒爆発。小兵ながら走攻守全てでハイレベルな成績を残しており、ア・リーグ西地区首位を独走するアストロズの主力打者として大活躍を続けている。
タイトル争いでもリーグを牽引。同僚で打率2位のカルロス・コレアが.320、3位のインディアンスのホセ・ラミレスも.319とアルトゥーベは首位打者争いを独走。そして、右打者ながら安打数も打率3位のラミレスに19本の差をつけてア・リーグトップだ。
現在、アルトゥーベは3年連続200安打を継続中。200安打までは残り52試合で49安打が必要となっているが、現在のペースであれば4年連続200本安打も可能だ。
しかし、そのアルトゥーベにも一抹の不安が残る。本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合を示す指標「BABIP」が例年より高くなっている。この指標は運の要素が高いことで知られており、現在のアルトゥーベは運が良く「出来すぎ」な成績となっている。
多くの選手が3割近くに推移するこの指標だが、アルトゥーベは通算BABIPが.339と高い。内野安打が多くなりやすい左打者が高いBABIPを記録することはあるが、右打者でこの数値が高いのは卓越した打撃技術を持っていることの証明だ。そして、今季のアルトゥーベは.386を記録。そのため、打率も例年より高くなっているが、今後成績を落とす可能性は否定できない。
実際に、今季大ブレークを果たしたニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手は、前半戦終了時には三冠王も狙えるほど打撃三部門で好成績を残していたが、BABIPが4割近くを推移していた。そして、後半戦に入ってから打率が急降下。3割3分近くの打率が3割前後まで低下した。
高いBABIPをマークしていたジャッジは打率を落としてしまったが、アルトゥーベは7月に5試合連続で猛打賞を記録するなど、打率.485と驚異的な成績を残して月間MVPを受賞。ジャッジとは逆に後半戦で調子を上げてきており、このまま息切れしなければ4年連続200安打で最多安打・2年連続の首位打者はほぼ確実だろう。
地区首位に走攻守で大きく貢献しているアルトゥーベ。今後も、アストロズの誇る安打製造機の活躍から目が離せない。