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【MLB】イチローの通算安打数は21位? 22位? 記録にズレが発生した理由とは

2017/08/29

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四球を安打としてカウント?

 MLBでは1年だけ四球(Base on balls)を安打として扱っていたシーズンがあるという事実も話をややこしくしている。19世紀の野球は現在のルールと異なる点が数多くあるのだが、1887年にリーグは5球ボールで進塁権を与え、その四球(五球)を安打としてカウントしていた。
 
 この年にアンソンは60四球を記録。1968年に行われた特別野球記録委員会で四球を安打として扱わないことが正式に決定されたが、『エライアス』とMLB公式サイトの記録の70の差には四球数が絡んでいるようである。ちなみに3081安打と記された1968年以前の記事も多数見つけることができる。この数字には長い歴史があるのだ。
 
 ちなみに、1969年に発売された最初の野球の辞典では、アンソンの安打数から1887年の四球数(60)が引かれ、2995安打となっているが、その後46安打が足され、3041安打とされている。
 
 アメリカ野球殿堂では、『エライアス』と同じく3081安打と表記し、最初の3000安打打者となったと記されている。としながらも同サイトでは3435安打とも表記し、ナショナル・アソシエーションの安打数の記録を含んだ『ベースボール・リファレンス』の記録と同一となっている。ちなみにこの記録からナショナル・アソシエーションの安打数を引くと、3012安打となり、同一サイトでも安打数が一致していない。
 
 イチローが、安打数で単独22位なのか単独21位なのかは、過去の記録をどのように扱うかによって変わってくる。文字での記録しか残っていないので、数値の矛盾が見つかったときに、その矛盾を推測によって埋め合わせると、各メディアによって数字は変わってくるのだ。
 
 アンソンの安打数で歴史が最も深い『エライアス』の3081安打の記録を使うべきなのか、MLBが独自に再集計した3011安打を使うべきなのかは答えがない疑問だ。ちなみに日本のメディアでも3081安打と3011安打と社によって採用している数字が違っている。
 
▽米野球サイトでのアンソンの安打数
エライアス、アメリカ野球殿堂:3081安打
MLB公式サイト、ベースボール・アルマナック:3011安打
ベースボール・リファレンス:3435安打(NL:3012安打)
ファングラフス、ベースボール・キューブ:3418安打(NL:2995安打)
ESPN:2995安打

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