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世界一へ、ダルビッシュと前田健太が担う重要な役割。ドジャース支える2人の日本人投手【小宮山悟の眼】

MLBのポストシーズンがリーグチャンピオンシップまで進んだ。日本人選手が所属するヤンキースとドジャースも進出。これからの戦いが楽しみだが、今回はドジャースの2人の地区シリーズでの投球について話したい。

2017/10/15

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“右殺し”の前田健太

 ブルペンの一員として奮闘しているのがもう一人の日本人投手・前田健太だ。
 
 ダイアモンドバックスとの地区シリーズは、右の強打者といわれるゴールドシュミットとマルチネスの2人を徹底的に抑えるという役割をしっかりこなした。
 
 当初の前田の役回りは先発が崩れた際のロングリリーフだったと思うが、最初の登板でピシッと抑えたことで評価が上がったのだろう。3戦目は8回の要所で、右打者に対して役目を果たした。ブルペンの中でもかなり期待をされる位置にいると言える。
 
 前田はイニングをまたいで投げられるので、5回以前の状況でも登板できる。そうでなければ終盤の右打者のところで登板させることができる。
 
 短期決戦にはさまざまな選手起用がある。ビハインドの展開で2死満塁になって打順が投手に回れば、早いイニングでも代打で勝負を賭ける。その場合、前田は一回りを抑えてくれる投手ということで重要なピースになる。
 
 シリーズ前、前田は短いイニングなら力いっぱいいくと言っていた。その言葉通り、150キロの球を連発して、スライダーをコントロールよく投げられている。アウトを3つだけ取りにいき、「すごいピッチャーだ」というのを見せられている。シーズン中だと話は別だが、ポストシーズンではテンションが最高潮の状態で投げることができており、いい経験をしていると思う。
 
 ダルビッシュと前田の2人は、非常に重要な役割を担っている。
 
 ダルビッシュは3戦目での登板が濃厚だ。前田は、カブスの右打者のクリスブライアントやコントレラスを迎えた場面で登板する可能性がある。
 
 ドジャースは想像していた以上に試合への入り方がいい。打線はホームランで点を取るチームと言う印象だったが、つながって点が取れている。これからも楽しみなゲームをしてくれるはずだ
 
 チームがいいだけに、2人の活躍には注目が集まる。2人にはこれまでのようなピッチングをしてもらいたい。それこそ、ボストンの松坂大輔と岡島秀樹の活躍の再来のように。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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