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大谷が背負う十字架。エンゼルスで二刀流は不可能、球団の本音は投手専任か【小宮山悟の眼】

日米の両球界から大きな注目を集めた大谷翔平選手の移籍先がロサンゼルス・エンゼルスに決まった。メジャーでも異例の「二刀流」に挑むということだが、球団のチーム状況や環境を考慮すると実際に可能なのか。

2017/12/13

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二刀流・大谷の起用法、いずれは投手専任が球団の本音?

 ただひとつ考えられるのは、相手の先発投手が右か左かによって起用法を変えるという手だ。左ピッチャーのときはDH・プホルス、一塁・クロンがベストだと思うので、大谷は休み。右の場合は大谷が入る。表向きは大谷をDHで出場させると言っているが、極力はプホルスとクロンの2人を使うような方針になることも考えられる。
 
 そもそも私は二刀流自体が無理だと思う。アメリカン・リーグのエンゼルスでは、先発ピッチャーを5人で回して、中4日で投げる。大谷が中4日で投げて、4日の間にDHで試合に出るのは絶対に不可能。そう考えると、大谷のローテーションを飛ばしながら、他のピッチャーを詰めて投げるということになると、もう一枚ピッチャーが必要になる可能性がある。ベンチ入り25人の中でそのやりくりするとなると相当難しいと思う。
 
 先発6人制の提案も聞こえてくるが、それを実現するとなるとブルペンの枚数を減らすことになるから不可能だ。「投手・大谷」「野手・大谷」がいるから一人二役という考えは筋が通る。その場合には大谷に外野を守らせるべきだが、そうもいかない。現在の外野陣、アップトン、トラウト、カルフーンは動かせないからだ。
 
 正直、エンゼルスには投手専任でやってほしいという本音もあるはずだ。大谷はMLBでもトップレベル。メジャー公式球への順応は課題だが、アベレージで100マイル投げられるというのは相当なピッチャーだ。今季、故障がちだったエンゼルスの投手陣を考えると、現状はキャリアのあるピッチャーよりも大谷の能力が高いという判断になれば、ローテの1番手の可能性もある。

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