エンゼルス・大谷を迎えるアナハイムとは? アジア人への理解、良好な関係へ最良の選択か【現地ルポ】
北海道日本ハムファイターズの退団会見を終えた大谷翔平の次なる舞台はアナハイムとなる。ロサンゼルス・エンゼルスが本拠地を置くこの街は、どのような風土なのか? 現地在住記者がレポートする。(文:角谷剛【アーバイン】)
2017/12/27
「東京」ディズニーランドと同じ?
日本のメディアでは、大谷翔平が契約を結んだエンゼルスの本拠地を、あるときはロサンゼルスとし、あるときはアナハイムとすることがある。実はどちらも正しい。
エンゼルスの現在の球団正式名称はLos Angeles Angels of Anaheimだが、かつてはカリフォルニア・エンゼルスであったり、ロサンゼルス・エンゼルスであったり、アナハイム・エンゼルスであったりした時期があるのだ。
現在の名称に落ち着いたのは2005年である。ちなみにややこしいようだが、地名のLos Angeles はスペイン語、チーム名のAngelsは英語で、微妙に綴りが違うのはそのせいである。意味はどちらも「天使」のこと。
住所区分からすると球団の本拠地エンゼル・スタジアムの所在地はカリフォルニア州、オレンジ郡アナハイム市であり、隣接するロサンゼルス郡とは行政面での直接的な関係はない。ちなみに球場の正式名称はAngel Stadium of Anaheimで、ここではロサンゼルスの地名は使われていない。
だが実際にはロサンゼルス郡とオレンジ郡は外部からは同一地域とみなされることが多く、当の住民達の意識も同様である。従って、球団も全国的あるいは世界的に通りの良いロサンゼルスの地名をあえて名乗ることにしたのだろう。千葉県浦安市に位置するディズニーランドが「東京」ディズニーランドと称していることと似た事情であるように思われる。