エンゼルス・大谷を迎えるアナハイムとは? アジア人への理解、良好な関係へ最良の選択か【現地ルポ】
北海道日本ハムファイターズの退団会見を終えた大谷翔平の次なる舞台はアナハイムとなる。ロサンゼルス・エンゼルスが本拠地を置くこの街は、どのような風土なのか? 現地在住記者がレポートする。(文:角谷剛【アーバイン】)
2017/12/27
アジア人野球選手への違和感は希薄な土地柄
最近ではマーリンズからヤンキースにトレードされて話題をさらった昨年度ナショナル・リーグのホームラン王ジャンカルロ・スタントンもロサンゼルス出身である。さらにはスタントンとヤンキースでタッグを組むアメリカン・リーグのホームラン王アーロン・ジャッジもロサンゼルス近辺ではないがカリフォルニア州出身だ。
カリフォルニアの気候は年間を通して温暖で雨が少ない。やろうと思えば一年中屋外で野球が出来ることが、メジャーリーガーを数多く輩出することの大きな理由として挙げられるだろう。
さらに、南カリフォルニアでは人口分布におけるアジア人の比率が高く、過去にドジャーズやエンゼルスに在籍した日本人メジャーリーガーも数多い。ざっと数えただけでも、ドジャーズでは野茂英雄は既に伝説の選手であるし、昨年は前田とダルビッシュの両投手が活躍した。エンゼルスには長谷川滋利と松井秀喜も在籍していたことがある。
今のエンゼルスには大谷以外に日本人選手がおらず、またそれがエンゼルスを選んだ理由の一つとも挙げられているが、上に挙げた事情からアジア人の野球選手というものに対しての違和感はごくごく希薄な土地柄である。
その点、大谷にとっても、またエンゼルス・ファンにとっても、お互いの良好な関係を築くにあたってのハードルは極めて低いと予想される。大谷は自身のメジャーリーグでのキャリアを始めるに当たって、少なくとも地理的条件の面では心地良い環境を選んだと評価されるべきであろう。