もう一人の二刀流マッケイとは何者か?「温室育ち」の大谷と対照的、米国流の「叩き上げ」【現地ルポ】
ロサンゼルス・エンゼルスに入団した大谷翔平は、二刀流としての活躍が期待されている。しかし、米国にも二刀流の逸材がいた。タンパベイ・レイズ傘下に所属するブレンダン・マッケイは投打に優れた有望株だが、MLBの例に漏れずマイナーリーグの“4軍”からサバイバルに挑んでいる。
2018/01/10
Getty Images
驚異の奪三振力と.900超えのOPS
ベーブ・ルース以来の投打二刀流として語られることの多い大谷翔平ではあるが、実はもう一人、現在のメジャーリーグ(正確にはマイナーリーグ)には同じく投打二刀流に挑む選手がいる。タンパベイ・レイズ傘下のブレンダン・マッケイだ。
マッケイは2017年度ドラフトでレイズからメジャー全体4位で指名され、約7億円以上というルーキーとしてはメジャー史上2番目の高額契約を結んだ選手である。現在22歳で、大谷より1歳若い。身長188センチ体重96キロの左投げ左打ちで、打者として出場するときは一塁を守る。
マッケイのアマチュア時代の成績は目覚ましい。高校卒業時にサンディエゴ・パドレスからドラフト指名を受けているが、それを拒否してルイビル大学に進学。同大学では1年生時から投打二刀流選手として活躍している。
大学卒業の前にプロ入りしているので、大学でのキャリアは3年。その3年間で投手としては54試合に先発し、34勝12敗、通算防御率は2.23。特筆すべきは奪三振率の高さで、合計315イニングを投げて391個の三振を奪っている。9イニング平均で11.17三振となり、これは現在メジャートップの奪三振率を誇るダルビッシュの通算11.04を上回る数字だ。
打者としては189試合に出場し、通算打率.328、28本のホームランを放っている。.900以上が一流打者の目安とされるOPS (出塁率と長打率を足した値)は.966である。ちなみに大谷の日本での通算OPSは .859である。