もう一人の二刀流マッケイとは何者か?「温室育ち」の大谷と対照的、米国流の「叩き上げ」【現地ルポ】
ロサンゼルス・エンゼルスに入団した大谷翔平は、二刀流としての活躍が期待されている。しかし、米国にも二刀流の逸材がいた。タンパベイ・レイズ傘下に所属するブレンダン・マッケイは投打に優れた有望株だが、MLBの例に漏れずマイナーリーグの“4軍”からサバイバルに挑んでいる。
2018/01/10
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レイズは二刀流として育てることを表明
米国の大学野球ではその年に最も投打の両方で活躍した選手を表彰するジョン・オルルド・アワードという賞があり、マッケイは大学在学中の3年間連続でその賞を受賞している。(編注:ジョン・オルルド=01年にマリナーズでイチローと同僚だった一塁手)
そのような賞があることでも分かるように、もともと米国野球には投打二刀流を評価する傾向はあるが、歴代受賞者は皆プロ入りこそしているものの、未だかつてメジャーのレベルで投打二刀流を続けることは出来ていない。
ところがタンパベイ・レイズはマッケイとの契約時に彼を投打二刀流選手として育てることを表明している。海の向こう、日本での大谷の成功が同チームの歴史的決断を後押ししていることは容易に想像できる。
大谷のケースと比較して興味深い点は、マッケイはそのアマチュア時代の輝かしい成績や高額契約金などの話題性にも関わらず、メジャーリーグの伝統に則り、あくまでマイナーからプロ選手としてのキャリアを出発することだろう。
メジャーリーグを1軍とすると、2軍にあたる3A、3軍にあたる2A、さらにアドバンスA、クラスA、ショートシーズンA、アドバンス・ルーキー、ルーキーリーグとマイナーリーグの組織は7階層にも渡るが、マッケイは昨年にショートシーズンAでデビューしている。