もう一人の二刀流マッケイとは何者か?「温室育ち」の大谷と対照的、米国流の「叩き上げ」【現地ルポ】
ロサンゼルス・エンゼルスに入団した大谷翔平は、二刀流としての活躍が期待されている。しかし、米国にも二刀流の逸材がいた。タンパベイ・レイズ傘下に所属するブレンダン・マッケイは投打に優れた有望株だが、MLBの例に漏れずマイナーリーグの“4軍”からサバイバルに挑んでいる。
2018/01/10
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大事に育てられた大谷。対照的なキャリアの行く末は?
ショートシーズンAは上から6番目の階層であり、その名の通り6月から8月までの短いシーズンである。マッケイが大学在学中であった事情もあるだろうが、超大物ルーキーと呼んで差し支えない選手であっても、レイズはすぐに彼をメジャーに上げたりはしないのだ。
従って、マッケイの実質的なプロ初シーズンは今年ということになる。マイナーリーグのどのレベルからの開幕スタートとなるか現時点では明らかではないが、ルーキーがメジャーリーグに昇格するまでには数年かかるのが通常である。
日本で高卒ルーキー時から1軍で大事に育てられた大谷を温室育ちとするならば、マッケイはこれからマイナーリーグの過酷なサバイバル競争に身を置くことになる。メジャーリーグでのデビューは大谷の方が先になることは確実であり、知名度や人気もはるかに上ではあるが、その大谷にしても未だにメジャーリーグでは1球も投げたことはないし、1打席にも立ったことがない点ではマッケイと同じなのだ。
ほぼ同い年のこの2人。一体どちらの選手が二刀流として結果を出すのか。日本と米国、果たしてどちらの育成方法が「メジャーリーグでの二刀流」に成功をもたらすことになるのか。興味はつきない。
(文:角谷剛【アーバイン】)