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日本人マイナーリーガー、ただいま4人。この中からMLBの新たなスターは出てくるのか?【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、マイナーリーグについてだ。

2015/03/24

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マイナーからMLBに挑戦する日本人選手

 NPBから行く有名選手の多くは、MLB球団との間にメジャー契約を結ぶ。つまり最初からMLBでプレーすることが約束されている。今季でいえばマイナー契約は川﨑宗則だけだ。
 
 ところで、そのルートとは別に、マイナー契約を結んでMLBに挑戦する選手もいる。今季は4人だ。
 
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 村田透は2007年巨人の社会人、大学生ドラフト1巡目指名で期待されたが、一軍では投げることができず、2011年からインディアンス傘下のマイナーリーグに挑戦している。A+からスタートし、4年かけてAAAまで登ってきた。
MLBではチームの判断でMLBキャンプにマイナーリーガーを呼ぶことがある。招待選手とは異なり、成績が良くても即MLB昇格とはならないが、MLBの指導者が若手をテストするのだ。
村田は昨年1試合投げるチャンスを得た。残念ながら1.1回で2失点と結果は残せなかった。29歳、残された時間は少ない。
 
 冨田康祐は、四国独立リーグ香川、DeNAを経て今季、レンジャーズとマイナー契約。チームは彼の力量を評価し、いきなりAAのチームに入れた。
早くも今年のMLBキャンプで投げている。ダルビッシュと同じマウンドに立ったのだ。1人に投げて三振を奪っている。マイナーでのスタートが決まっているものの、指導者の眼には止まったはずだ。
 
 加藤豪将はアメリカの高校に在籍中ドラフト2位でヤンキースが指名。昨年はA+でプレー。打率は低かったが、選球眼の良さが光った。ヤンキースの公式サイトではプロスペクト(有望選手)ランキングの12位にいる。
 日本語より英語のほうが滑らかで、日本人選手が直面するコミュニケーションギャップはないようだ。
 
 沼田拓巳は一昨年、社会人野球からドジャースとマイナー契約。社会人チームに在籍中に契約をしたため除名処分にされた。日本球界への復帰は厳しくなった。
昨年はルーキーリーグで投げて、結果を残すことはできなかった。今季は勝負の年になる。
 
 韓国では国内プロを経ず、アマチュアからMLB傘下の球団とマイナー契約をしてMLBを目指すのが普通になっている。元祖韓国人MLBプレイヤーの朴賛浩をはじめ、金炳賢や秋信守など、ほとんどがこのルートだ。
 MLBが最近まで韓国プロ野球(KBO)での実績を評価しなかったからだ。
 
 一方、日本では、実質的なパイオニアである野茂英雄がマイナー契約でドジャース入りして大活躍をしたので、以後、有名選手がMLB入りする際は、NPBの実績を評価してメジャー契約するのが普通になった。
 日本人選手でマイナーから挑戦するのは、NPBのドラフトに漏れた選手だ。
 
 日本人マイナーリーガーは100人を超しているが、マイナーから這い上がってMLBまで昇格したのは村上雅則、前述の野茂英雄、多田野数人、マック鈴木、大家友和、田澤純一など少数にとどまっている(田澤はNPBの指名を拒否してMLB球団と契約したため、摩擦を生んだ)。
 
 道はそれぞれだが、MLBでプレーする新たな日本人選手の登場に期待したい。
 
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