断言しよう「イチローは3割打てる」 MLB残留で期待する大谷との夢の対決【小宮山悟の眼】
マイアミ・マーリンズからフリーエージェント(FA)となり、今季の所属先が未定となっているイチロー外野手。日本球界復帰もささやかれているが、今回はその可能性やMLB残留で期待することについて話したい。
2018/01/26
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MLBのFA市場はまれにみる停滞
イチローの日本球界復帰が伝えられている。
これは代理人からのアピールで出た話だと思うが、私は可能性がゼロでないとしても現実的ではないと思っている。2月下旬、下手すればシーズン途中まででもMLB球団からのオファーを待つ、というのがイチローのスタンスだと思う。
イチローがいまも契約できない要因は、本人だけの問題ではない。
今年のMLBのFA市場はここ10年でまれにみる停滞ぶりと言える。大物を含む多くのFA選手の契約がまとまっておらず、キャンプインに間に合わない可能性もある。一気に話が進むのがMLBの常とはいえ、ビッグネームの去就がこれほど決まらないのは珍しい。FA選手の中で、イチローの優先順位は高い方ではないため契約に時間を要しているのだ。
代理人からのアナウンスは、おそらく球団に対して「そろそろ動いてほしい」という意思表示に加え、イチローのようなバックアップメンバーになり得る選手を先に決めるのも手ではないかというメッセージだろう。
私個人の意見としては、イチローはまだメジャーで十分にやれると思っている。ビッグクラブでは厳しいかもしれないが、そうでない場合は7番か8番の打順で年間400~500打席チャンスがあれば、3割は打てると断言できる。
昨シーズンのパフォーマンスを見れば明らかだ。MLBの代打安打記録まであと一歩と迫った打席での集中力を見ている限りでは、イチロー自身もまだやれるという手ごたえを感じているのではないか。
守備と走塁に関しては、MLBの平均以上を見せられていたと思う。スローイングの正確性も衰えておらず、まだやれることを見せた2017年シーズンだった。
ネックになっているのは年齢だけだろう。
仮に同じパフォーマンスができる25歳の選手がいるとして、イチローと比べるなら若い選手を使うべきだろう。しかし、実際にそんな選手はいない。44歳だからと敬遠されているが、年齢を度外視して一人のアスリートとして見ると、戦力としては十分だ。エージェント側も「かなり有能な選手」ととらえているはずだ。