米国でマーリンズ・ジーターCEOら新体制への批判の声止まらず「今のところ成功とは程遠い」
2018/01/29
Getty Images
今オフからマイアミ・マーリンズのCEOを務め、ブルース・シャーマン氏と共に球団を保有する投資家グループの中心となっているデレク・ジーター氏。
現役時代は名門であるニューヨーク・ヤンキース一筋でキャプテンも務め、新人王、ワールドシリーズMVP1回、シルバースラッガー賞・ゴールドグラブ賞5回、オールスター出場14回など輝かしい実績を残しており、将来の野球殿堂入りも有力紙されているが、今オフから取り組んでいる球団経営についての評判はやはり芳しくないようだ。
米サイト「SBネーション」では28日(日本時間29日)付で特集を掲載。ジーター氏の現役時代の功績を称える一方、球団経営については「今のところ成功から程遠い」と評し、かつてのスターの現状を批判した。
同サイトによると、ジーター氏は球団の4%ほどしか所有していないため、どれほどの決定権を有し、経営を委任されているのかは不明としながらも、CEOを務めていることで球団の顔としての役割を担うことになっていると指摘。
そして、ジーター氏も過去に「ファイヤーセール」と主力選手の大量放出を行い、米国中で不人気であったジェフリー・ローリア前オーナーと同様に嫌われる存在となってしまったと評した。
マーリンズは既に昨季の外野レギュラーであったジャンカルロ・スタントン、マーセル・オズナ、クリスチャン・イエリッチ、正二塁手のディー・ゴードンをトレードで放出。選手からトレードを志願されていることもあり、今後も正捕手のJ.T.リアルミュート、トレードで移籍してきたばかりのスターリン・カストロがトレードで放出される可能性がある。
また、これまでのトレードに関しても、獲得した選手が見合うものではないことを受け「これはチーム再建のためではなく、年俸削減のためのただの売り切りだ」と評されている。以前からMLBサイドはローリア前オーナーの交代を希望しており、ジーター氏らの登場でそれは実現することになったが、状況はより悪化してしまったと評されている。
また、同記事ではジーター氏らのコストカットばかりを望み、利益を得ることに集中する姿勢も批判している。同記事では、スポーツは勝利だけでなくPRの側面もあるが、ジーター氏らの新体制は温情・容赦のない人員削減、ガンと闘病中のスカウトを解雇するなど、やや非人道的な人事が目立っており、特にジーター氏が現役時代に見せていたリーダーシップ・人格はマイアミでは見えなくなっていると評されている。
勝利を二の次にして利益を得ることを追及しており、挙句の果てには「今や彼は悪役である」とまで評されているジーター氏。球団経営に携わって半年あまりでこれまでの名声は失墜してしまっているが、果たしてここからチームを上手く立て直すことはできるだろうか。