練習より試合。日本と異なるMLBの春季キャンプ。大谷が臨む“悪魔のスタジアム“とは?
NPBはきょう2月1日、いよいよキャンプインとなる。長いシーズンを戦うための過酷な練習期間となるが、MLBの"春季キャンプ"と言えるスプリング・トレーニングは全く異なるものである。また、今季からエンゼルスに加入する大谷翔平はどのような場所でシーズンに向けた調整を行うのか。現地記者が解説する。(文・角谷剛)
2018/02/01
練習もそこそこに試合。米国では当たり前
日本のオープン戦が週3~5試合なのに比べると、メジャーリーグの過密日程は際立っている。それが可能なのはメジャーリーグのチームが近くに集まってキャンプを行っている為である。主に西海岸の15チームがアリゾナ、東海岸の15チームがフロリダに集まる。
アリゾナがカクタス・リーグ、フロリダがグレープフルーツ・リーグと呼ばれ、それぞれのリーグ内でオープン戦を行う。ちなみにカクタスとはサボテンのこと。全米から多くの野球ファンが両地域を訪れ、春季キャンプ期間中は近辺のホテル代が高騰する。
練習に重きを置く日本プロ野球と試合を中心とするメジャーリーグ。両者の違いはそれぞれの国のスポーツ観を反映していると言えよう。練習もそこそこにリーグ戦を始めるのは何も野球やメジャーリーグに限ったことではなく、リトルリーグから高校・大学の部活動に至るまで、米国のスポーツでは当たり前のことなのだ。
エンゼルスの春季キャンプ期間中の本拠地になるのがアリゾナ州テンピ市にあるテンピ・ディアブロ・スタジアムだ。約1万人を収容できる本スタジアムに練習用フィールドが6面隣接している。その内のスタジアムに近い2面をメジャーが使用し、他の4面を3Aからルーキーリーグまでのマイナーチームが使用する。
メジャー選手は毎朝9~10時頃から練習用フィールドに集まり、オープン戦が始まる正午から午後1時の1時間前ぐらいに本スタジアムに移動する。この選手の練習用フィールドからスタジアムまでの移動時間がファンにとってはサインを求めるチャンスになる。