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リスクを伴う投資? MLB日本人投手との巨額契約

MLBでプレーした日本人投手のうち、17人は100万ドル以上の契約での渡米だった。しかしその多くは投資額に見合った成績を残せたかというと疑問符がつく。アメリカ現地記者が、日本人投手獲得に警鐘を鳴らしている。

2015/03/24

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渡米後にNPB以上の評価を得たのはたったの3人

 米メディアならではの辛辣な評価が続いている。
 他の投手への評価も要約を紹介しよう。
 
黒田博樹
前の2人と比べると渡米時の評判は遥かに静かなものだった。しかし最終的には最も耐久力のある投手の1人としての評価を確立した。松坂以降では、黒田はその契約に見合う価値があると証明した最初の日本人投手だ。各球団のGMからすれば、日本人投手に投資することへの懸念を払拭した。
 
川上憲伸
ブレーブスと3年2200万ドルで契約。初年度こそ井川以上の働きを見せたものの、2年目以降は戦力にならなかった。
 
上原浩治
メジャーでの6年間で計2650万ドルしか稼いでいない。にもかかわらず、10.1fWARだ。これは明らかに優れた対価価値だ。
 
岩隈久志
過去2年間の平均年俸はわずか650万ドルであり、これほどお買い得な投手は簡単には見つからない。2015年本気で優勝を狙うマリナーズにとって、岩隈はとても重要な存在だ。
 
ダルビッシュ有
最初の2年間はサイ・ヤング賞級の活躍を見せたが、3年目の2014年には、やはり彼も生身の人間だったことを感じさせた。50日間故障者リストに入り、22先発にとどまった。今回のトミー・ジョン手術により、レンジャーズはポスティング費用も含めると1861万ドルを無駄にすることになる。
 
田中将大
スタッツを見る限り、初年度は素晴らしかった。しかし、将来の手術の懸念は拭い去れない。彼の7年契約は各年2200~2300万ドルだ。どの段階でも手術となれば、ヤンキースにとって大きな痛手となる。
 
 ここでゴールドマン記者が具体的に触れた8人中、大きな成功だったと言えるのは黒田と上原、岩隈の3人のみだ。それを踏まえ、彼は以下のように結論付けている。
 
As Otani, Anraku, and others start testing the waters through either the posting system or free agency in general, teams must take into account the overall suc-cess rate that pitchers have experienced in their transition from NPB to MLB. Of the 20 players since 2006, 11 of those players have posted sub-one fWARs. Per-haps more ominously, their histories may indicate a high risk of arm trouble in the future. Otani and Anraku have been subjected to the notoriously heavy pitch count workloads seen in Japan and could eventually find themselves as future Tommy John surgery victims. The sample is admittedly small since 2006, but the results are clear-cut, and should be, at the very least, a flashing caution sign to the GMs who may want to invest in the next wave of Japanese pitching talent.
これから大谷(翔平)や安楽(智大)らがポスティングなりFAなりでメジャーを目指すことになるが、どの球団もNPBからMLBへの移籍での成功率をしっかり認識しなければならない。2006年以降に渡米した20人中11人はWARが1.0未満だった。それに加え、過去の実例が示す通り、彼らも生来の腕の故障リスクをはらんでいる。大谷も安楽も酷使を経験しており、将来トミー・ジョン手術を必要とする可能性が高い。サンプル数は多くはないが、それが示す結果は明白であり、少なくとも次世代の日本の人材に投資しようとするGMたちへの警鐘と言えるだろう。
 
出典:”Investing in the Japanese pitchers”@ SB nation by Matt Goldman in Mar. 21st 2015
 
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