ダルビッシュとカブスが結ばれた理由。敏腕社長に最高の指揮官。世界一へ理想の環境に
シカゴ・カブスは、ダルビッシュ有と契約に合意したことを発表した。停滞するMLBの移籍市場の中で、ダルビッシュの去就は注目を集めていたが、ついに正式に決定した。多くのオファーがあると報じられた中で、ダルビッシュはなぜカブスへの入団を決めたのか。その理由を探る。
2018/02/14
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3年間の勝利数は30球団No.1
今オフ、FA市場でNo.1先発投手として評価されていたダルビッシュ有が13日、シカゴ・カブスと6年総額1億2600万ドル(約137億円)で契約に合意した。
例年に比べて異常なほど動きの遅かった移籍市場だが、No.1右腕の争奪戦は水面下で繰り広げられていた。そんな状況の中、ダルビッシュ側が移籍先に求めてきた条件は『勝てるチーム』であることだったという。
2016年、実に108年ぶりにワールドチャンピオンに輝いたシカゴ・カブスは、今まさに旬なチーム。間違いなく『勝てるチーム』だ。
カブスは1871年創立の歴史ある古豪球団。本拠地リグレーフィールドは、メジャーで最も美しい球場との呼び声が高い。その美しい佇まいは、開場から100年以上経った今もなお変わらない。
過去に在籍した日本人選手は、マイナー契約も含めると11人(野茂英雄、マック鈴木、高津臣吾、高橋尚成、田口壮、門倉健、福留孝介、和田毅、藤川球児、川崎宗則、上原浩治)。全米3位の人口を誇るシカゴは日本人コミュニティも発達しており、ダルビッシュにとっても非常に住みやすい環境だ。
前述のように、カブスは現在『勝てるチーム』だ。ここ3年間のレギュラーシーズンの勝利数292は、30球団No.1。
しかしながら、一夜にしてこのようなチームが出来上がった訳ではない。明確なビジョンと綿密な再建計画の元、カブスが『勝てるチーム』になるまでには、ある程度の時間を要した。
そのプロセスの中で、決して忘れてはならない2人の重要人物がいる。球団社長のセオ・エプスタインと、監督であるジョー・マドンだ。