大谷との違いは? レイズが挑む前例なき二刀流・マッケイの育成、慎重姿勢が生み出すメリット
今季、メジャーリーグで二刀流と言えば、ロサンゼルス・エンゼルスに入団した大谷翔平選手。日米球界の注目度は非常に高く報道も過熱しているが、その一方でもう一人の二刀流であるタンパベイ・レイズ傘下に所属するブレンダン・マッケイ選手は静かに調整を続けている。
2018/03/09
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大谷とは異なる慎重な育成方法
オープン戦に入り、大谷フィーバーは全く収まる気配を見せない。試合での結果はもちろんのこと、大谷の一挙手一投足に注目が集まっていると言っても大げさではない。日米の報道が大谷に集中するさなか、もう一人の投打二刀流、タンパベイ・レイズ傘下のブレンダン・マッケイ選手は静かにしかし着実に春季キャンプで独自の調整を続けている。
2017年ドラフトでレイズからメジャー全体4位で指名されたマッケイ。ルーキーとしてはメジャー史上2番目の約7億円超という高額契約金を結んだ選手だ。大谷より1歳下の22歳で、身長188センチ体重96キロの左投げ左打ち。打者として出場するときは一塁を守る。
レイズは契約当初からマッケイを投打二刀流選手として育てることを表明。3月5日(日本時間6日)にレイズ公式サイトに掲載されたレポートによると、その方針はいまだ揺らいでいないようだ。
昨年、マッケイはショートシーズンAでデビュー。ショートシーズンAは階層で言えば4軍、その名の通り6月から8月までの短いシーズンだ。今年は1Aからスタートし、メジャー昇格は2019年と予想されている。
マッケイの場合、大谷とは異なり、メジャーリーグの慣習通り、マイナーからキャリアを積み上げることになる。これはレイズがこの有望選手を放り出しているわけではなく、むしろマイナー組織を挙げて慎重な育成方法をとっているのだ。
レイズのファーム・ディレクターであるミッチ・ルケビック氏はこう語る。
「マッケイに類まれな才能があるのは確か。ただ投打二刀流は前例がなく、未知の試み。しかし、私たちには当初からの計画がある。バッティング・コーチ、ピッチング・コーチ、コーディネーター、そして私は常に彼についての情報を共有し、最良のバランスがとれた練習を計画するように努めている」
ルケビック氏によると、昨年のショートシーズンは基本的にルイビル大学時代と同じ調整方法を試した“テスト期間”で、今シーズンはそこから得られたデータとマッケイ自身からの情報を基に修正した投打二刀流の調整方法を試す本格的なスタートになる。