それでも大谷をマイナー降格させない理由。見逃せない営業サイドの思惑と経済への影響
大谷翔平が苦しんでいる。今季から加入したロサンゼルス・エンゼルスでも二刀流挑戦が注目を集めるが、オープン戦では投打で結果を残せていない。現地ではマイナーからのスタートを推奨する声もあるが、球団には様々な理由から降格させられない理由がある。
2018/03/23
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大谷の獲得でチームは大改変を敢行
終盤を迎えつつあるメジャーリーグのオープン戦において、エンゼルス大谷が投打双方で不振を極めている(3月21日時点で投手としては防御率27.00、打者としては28打数3安打、打率.107)。
本来ならマイナー契約を結んだだけの1新人選手であるにもかかわらず、各メディアは大谷が試合に出場するたびに結果を大々的に報道し続けている。大谷の才能を認めつつも、23歳の若さであることも考慮して、マイナーで経験を積むべき、というのが現地メディアの主な論調になりつつあるが、エンゼルスのゼネラルマネジャーであるエプラー氏もソーシア監督も大谷が開幕ベンチ入りするかどうかを未だに明言していない。
既に6人制先発ローテーションの導入を始めてしまっていること、大砲プホルスをDHから一塁に回し、昨年までの正一塁手C.J.クロンをトレード放出してしまったというチーム事情もあるだろう。大谷が開幕ベンチ入りしないとなると、投打の大きなピースがチーム編成のパズルから外れてしまうことになることは明らかだ。
それ以外にも、エンゼルスが大谷を簡単にマイナー降格させるわけにはいかない背景として、球団の販売営業サイドからの思惑、ひいては地元経済への影響も見逃すことは出来ない。例えば、エンゼルスの公式オンラインショップにおいて、「17番・大谷」は「27番・トラウト」と並んで、グッズ販売ではチームの顔というべき存在になっている。