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それでも大谷をマイナー降格させない理由。見逃せない営業サイドの思惑と経済への影響

 大谷翔平が苦しんでいる。今季から加入したロサンゼルス・エンゼルスでも二刀流挑戦が注目を集めるが、オープン戦では投打で結果を残せていない。現地ではマイナーからのスタートを推奨する声もあるが、球団には様々な理由から降格させられない理由がある。

2018/03/23

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能力以外の面でも大きな影響を及ぼす

 エンゼル・スタジアムは7月12日のマリナーズ戦で大谷のボブルヘッド人形を配布することを既に発表している。ボブルヘッド人形はスター選手の証とも言え、2018年度のエンゼルスでは大谷の他にはゴールドグラブ賞を3回受賞しているシモンズ遊撃手と野球殿堂入りが決まったゲレーロ元外野手しかボブルヘッド人形配布の予定はない。
 
 大谷がメジャーのベンチ入りをするかどうかによって、エンゼルス球団の収入が大きく左右されることは間違いないのだ。
 
 大谷がキャンプ入りした日の記者会見ではエンゼル・スタジアムからさほど離れていないトーランス市に拠点をもつ船井電機がエンゼルスのスポンサーになることも発表されている。記者会見の背景やホームプレート後方の看板で船井電機の名前が宣伝されるわけだが、大谷が出場しないということになると、特に日本における宣伝効果が激減することは明らかだ。
 
 エンゼル・スタジアムは大谷の加入によって日本からの観戦ツアーが増えることを予想し、あるいは期待し、チケット販売やカスタマー・サービスに日本語職員を急募までしている。チケット販売、グッズ販売、さらには周辺の観光収入まで含めて、大谷への期待は1野球選手としての能力以外の面にも及んでいる。
 
 上記のような経済的理由がどの程度エンゼルスの判断に含まれるかは外部からは窺うことはできない。いずれにせよ、3月29日の公式シリーズ開幕まで残された時間はあとわずかしかない。
 
 
文:角谷剛【アーバイン】

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