メジャー挑戦へ、二刀流か否か。注目の若手2選手の運命分ける決断、マイナーでの初登板の結果は
2018/04/10
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当初は投打二刀流を期待された2人
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が9日(日本時間10日)、アメリカン・リーグの週間MVPに選出された。オープン戦での不振がうそのような、大谷の驚異的な投打二刀流での活躍はメジャー球史に残る1週間であったかもしれない。前代未聞とさえ呼んでもいいような大谷フィーバーのさなかの9日、メジャーリーグを頂点とするならば4階層下にあたるマイナーリーグ1Aのミッド・ウェスト・リーグにおいて、興味深い2人の若い投手が先発登板デビューを果たした。
1人は大谷と同じく投打二刀流の挑戦を続けるタンパベイ・レイズ傘下ボウリング・グリーン・ホット・ロッズのブレンダン・マッケイ選手。もう1人は高校在学中に最速約164キロを計測して話題を呼んだシンシナティ・レッズ傘下デイトン・ドラゴンズのハンター・グリーン選手だ。2人とも2017年ドラフトの目玉選手で(マッケイは全体4位、ハンターは全体2位)、どちらもプロ入り当初は投打二刀流を期待されたことも共通している。
マッケイは既に打者としては1Aデビューを果たしている。ここまでの3試合で9打数5安打5打点、打率.556という突出した成績。さらに特筆すべきは3試合で7四球(1敬遠を含む)を選んでいることで、出塁率は実に.733、OPSは1.40だ。大谷のここまでの打者としての成績が打率.389, 出塁率.421、OPSは1.310であるから、メジャーリーグと1Aという舞台の大きな違いはあれども、マッケイが残している数字がいかに驚異的であるかがうかがえる。
一方のグリーンは昨年6月に高校を卒業したあと、ルーキー・リーグに参加しているが、夏だけの短期間に投手として3試合、打者としては7試合のみの出場だった。同リーグ終了後、レッズはハンターが投手に専念することを発表した。マッケイ同様、今シーズンが実質的なプロデビューと言える。高校時代は投手と遊撃手を守った193センチ90キロの万能型アスリートだ。1999年8月6日生まれ、まだ18歳の「高卒ルーキー」である。
2人の1Aにおける先発登板デビューはともに短イニングで終わった。これは2人のパフォーマンスに関係なく、開幕して間もないこの時期のマイナーリーグに共通した傾向である。できるだけ多くの投手に機会を与えるため、1人1人が2~3イニング程度しか投げないことが普通である。