大谷にかかる前人未到の“三冠”への期待。世界が注目する底知れぬポテンシャルの行方は
2018/04/12
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新人王とMVPの二冠達成者、1人は日本のレジェンド
「新人王」&「MVP」に目を移すと、こちらは1975年のフレッド・リン氏(ボストン・レッドソックス在籍時)が初の二冠達成者となった。ルーキー外野手だったリン氏は、打率.331、21本塁打、105打点を記録。得点、OPS、長打率などでもリーグトップとなり、守ってはゴールデングラブ賞を獲得した。ワールドチャンピオンこそ逃したものの、リーグ制覇に貢献し、ルーキーながら傑出した働きを見せた。
そして、もう1人は記憶にも新しい、2001年シアトル・マリナーズのイチロー外野手だ。海を越えた日本の天才打者は打率.350、242安打、56盗塁、127得点と数々の部門でリーグトップに輝き、マリナーズの年間116勝という偉大な記録達成の一翼を担った。
ロハス氏は、現時点でデータサイト「ファングラフ」の算出する、大谷のWAR(勝利への貢献度を表す指標)値が投打ともに優れていることについて言及し、まだまだ早計ではあるが、二刀流選手として非常にいいスタートを切ったことで初の”三冠”選手への道のりへと歩みだしたと述べている。
確かに「新人王」「サイ・ヤング賞」「MVP」の同時獲得など非現実的かもしれないが、大谷なら、と思わせるプレーをここまでは披露してくれているのは事実だろう。今や、日本のファンのみならず、世界のファン,メディアにまでも夢を見させてしまう存在となった大谷。その底知れぬポテンシャルのゴールの行方に世界中が注目している。
文:高橋康光