大谷はどのようにOP戦の成績を覆したのか。エンゼルスの起用法にみる“二刀流“のメリット【小宮山悟の眼】
渡米前から「二刀流」の可否で日米両球界から注目を集めていたロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手。開幕前は懐疑的な意見が多かったが、ここまでの大谷は投打にわたる活躍には目を見張るものがある。華々しいデビューを飾ったが、メジャーリーグでの今後のキャリアを見据え、大谷はメジャー1年目をどう過ごすべきか。
2018/04/13
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結果に一喜一憂しすぎてはならない
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手がメジャーリーグで衝撃的なデビューを果たした。日本でやってきたことをメジャーでも出せれば、ここまでの結果は想像に難くなかったかもしれない。しかし、私が実際に現地でスプリングトレーニングやオープン戦を見ていた中ではいくつかの課題が見受けられた。その課題を開幕に向けて修正できた点は見事というしかない。
打者としてオープン戦に出場した際、投手の投げ方にタイミングが合わず、差し込まれることが多かった。これはメジャーの投手は日本の投手とフォームが異なり、足を上げた状態から一気に投げてくるためだ。しかし、大谷は開幕前に右足を上げずにノーステップで打ちにいく打撃フォームに変えた。この変化によって、トップをつくった状態でボールを待つことができ、構え遅れせずにボールをとらえることができるようになった。
投手としては、レギュラーシーズンで投げていた感覚を取り戻すように、スプリットを多投してリリースポイントを確認していた。これが功を奏して、先発として2連勝につながったのではないか。
今後、ポイントになるのは、結果に一喜一憂しすぎないことだ。
大谷自身、エンゼルスの入団会見で「まだ完成した選手ではない」と話しているように、現在は試行錯誤を繰り返している状況だろう。3試合連続本塁打や先発投手2連勝という活躍だが、本人は自分の中での完成形を追い求めているはずだ。これからもマイナーチェンジしていくと思う。