平野と牧田がメジャーで通用した理由は? 見事な制球に多彩な投球術、そして今後の課題は…【小宮山悟の眼】
今季のメジャーリーグでの日本人ルーキーといえば、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が脚光を浴びているが、日本でリリーバーとして活躍した平野佳寿、牧田和久の2投手もいい形で起用されている。
2018/04/19
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「平野は落ちるボールを有効に使えている」
日本でリリーバーとして活躍したアリゾナ・ダイヤモンドバックスの平野佳寿投手とサンディエゴ・パドレスの牧田和久投手。メジャーリーグに舞台を移しても、変わらずの活躍ぶりだ。
いずれの指揮官も日本プロ野球の経験者で、日本人投手のコントロールの良さを知っている。そのため、シーズン序盤は重宝されると思っていたが、今のところその通りのいい形で起用されているという印象だ。
平野は落ちるボールを有効に使っている。内と外にそれぞれ投げる際、シュートのように落とすのか、スライドさせながら落とすのかをしっかりコントロールしているのは見事だ。
ストレートの球速は91~92マイル(146~148キロ)ほどあり、速いストレートとスプリットを織り交ぜて打者を抑えている。打たれた試合もあったが、ベンチが期待している仕事はできている。
平野の登板数を見ると、開幕当初は使いすぎなのではないかというほど起用されていた。しかし、連投は2回。メジャーリーグの中継ぎは最大で3連投までで、3連投の後は休みを取るシステムだ。これまで2連投しかしていないということは、指揮官が平野をコンスタントに起用したいという意思表示だと考えられる。7、8、9回のリードしている場面での起用で役割がはっきりしているので、本人も調整しやすいはずだ。