大谷の活躍で脚光、ベネズエラの二刀流レジェンド。“タレントの宝庫”でも希少な存在
2018/04/19
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大谷が呼び起こした歴史的プレーヤー
今季でMLB生活18年目に入ったイチロー外野手(シアトル・マリナーズ)はそのキャリアの中で多くの歴史的プレーヤーを墓場からよみがえらせてきた。そして今、大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)もまたベーブ・ルース氏をはじめとする歴史的プレーヤーを再び眠りから起こしている。
そんな中、ベネズエラ紙「エル・ナシオナル」のイグナシオ・セラーノ記者は4月10日に「ベーブ・ルースとベネズエラの継承者たち」というコラムを寄稿。大谷が呼び起こしたベネズエラの二刀流レジェンドたちを紹介している。
記事の冒頭では、大谷について「稀有な才能を持った怪物」「ベーブ・ルースの最新のライバル」と言及。大谷やベーブ・ルース氏の存在が、過去のベネズエラの二刀流プレーヤーを思い起こさせると述べ、その系譜を紹介している。
その中で、最初に挙げられたのが、キューバ出身でのちにベネズエラ人となったマヌエル・ガルシア氏だ。
1905年生まれの同氏は、ライバルたちの脅威であり、有害かつ厄介な存在ということで“コカイン”という愛称を付けられた。1926年~1949年にかけて米国ニグロ・リーグやキューバ、ドミニカ共和国、メキシコなどのカリブ海諸国のリーグで活躍していた。すでに36歳になっていた1942年のシーズンでは、メキシカンリーグのプエブラ・パロッツで投手として19勝14敗、打者としても193打席に立ち打率.275,44打点をマークしたという記録がある。
次いでビダル・ロペス氏(1918年生まれ)の名が挙がる。プエルトリコ、キューバ、ベネズエラ、メキシコといったカリブ海地域のリーグで活躍。17歳でデビューしたロペス氏は、ベネズエラリーグで投手として2度の三冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振)を獲得。そして打者としても本塁打王を3度、打点王を2度獲得するなど二刀流プレーヤーとして活躍していた。
さらに、現在アリゾナ・ダイヤモンドバックスでプレーするデビッド・ペラルタ外野手も紹介されている。もともとは投手としてカージナルスと契約したペラルタであったが、けがもあり野手に転向。独立リーグなどを転戦しながら2014年にメジャーデビューし、現在は主力として活躍中だ。「ペラルタは純正の二刀流選手ではないが、大谷の登場によりベネズエラ人にその存在を思い起させる選手だ」としてセラーノ氏は述べている。