好成績をあげても、立場は弱い? 今年もキャンプ招待選手から這い上がる、川﨑宗則【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、川﨑宗則についてだ。
2015/04/01
Getty Images
田口壮のように這い上がれるか?
MLBに渡ってからの川﨑宗則のオープン戦の成績を見てみよう。
川﨑はMLBに移籍してからずっとマイナー契約でキャンプインした。守備的な評価は高いものの、打撃面で長打が少ない川﨑にとって、最初からメジャー契約を勝ち取るのはなかなか難しい。
2012年、イチローの後を追ってマリナーズに入団した時はマイナー契約のNRI。しかしキャンプでの競争を勝ち抜いて、メジャー契約を勝ち取った。
2013年は、プレーするチームがなかなか決まらず、開幕直前にマイナー契約でブルージェイズに入団。NRIでさえなかった。傘下のAAAでスタートし、MLBの内野手の故障に伴ってMLBへ昇格した。
2014年もマイナー契約のNRIからスタート。この年も開幕時でのメジャー契約はならなかった。しかし4月にMLBに昇格し、メジャー契約を結びなおした。
川﨑宗則はジョン・ギボンズ監督はじめ、指導者、チームメイト、ファンからの信頼が厚い。チームになくてはならない存在になっている。今季もたとえ開幕ロースターから漏れてマイナー契約からスタートしたとしても、MLBに昇格して契約を結びなおす可能性は高いと思われる。
川﨑は、まるで水に落ちては這い上がることを繰り返しているようだ。
同じような経歴の選手に田口壮がいる。2人ともそういう苦労をしながら、MLBでのキャリアを積み重ねた。そしてMLBでの信頼を勝ち得た。スター選手とは一味違う生き方があるのだ。
今季の川﨑も、山あり谷ありの野球人生を味わう可能性が高い。それでも、彼はきっと這い上がってくるだろう。
今日、川崎はマイナーでのスタートが決まった。エープリルフールであってほしいと思うが、本当のようだ。
川崎は「日本人の野手でメジャーで活躍している選手がどれだけすごいか、身にしみて感じた」とコメント。
川崎の重要性は、監督はじめ、チームのメンバーがよく知るところだ。例年のように、必ずやMLBに昇格することだろう。
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