マーリンズに現れた“あの映画”のような苦労人ルーキー、現役最高左腕に投げ勝った24歳とは
2018/04/27
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ビールの売り子に高校教師…まるで映画のような経歴
今季低迷するマイアミ・マーリンズに異色の経歴を持つルーキーが現れた。今年メジャー1年目のトレバー・リチャーズ投手。年は24歳だが、その存在はMLB史上最年長の35歳でデビューしたジム・モリスをモデルにした映画「The Rookie(邦題:オールド・ルーキー)」を思い起こさせる。
リチャーズは25日(日本時間26日)、ロサンゼルス・ドジャース戦に先発登板。4回2/3を投げて10奪三振、無失点と好投した。ドジャース先発の現役最高左腕クレイトン・カーショウ投手に投げ勝った。
「The Rookie」は、元マイナーリーガーの高校教師兼野球チームの監督が紆余曲折を経て、35歳でメジャーリーグ昇格を果たす。リチャーズは24歳とまだ若いが、マーリンズに昇格するまでの経歴はまるで映画のようだ。
リチャーズは人口わずか2000人のオハイオ州アビストンに生まれ育った。高校、大学と野球を続けたものの、卒業時にはMLBのドラフトにはかからず。卒業後は独立リーグに所属し、シーズンオフは生活費を稼ぐためにビール工場の売店売り子、高校の代用教師といった職を転々としている。2016年にマーリンズに入団し、2年間のマイナーリーグ生活を経て、今季開幕に念願のメジャー入りを果たしている。
ビール工場でのリチャーズの時給は9米ドル(約900円)だったそうだ。元上司はスポーツ専門局ESPNの取材に応じ、リチャーズは朝出勤前に工場のジムで筋力トレーニングをし、勤務終了後にピッチング練習をしていたと語っている。