マリナーズの韋駄天が今季メジャー最速三塁打 匹敵する潜在能力を持つ日本選手は…
2018/04/28
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俊足と話題になった大谷より0.6秒以上速い
昨季までマイアミ・マーリンズ、そして今季はシアトル・マリナーズでイチロー外野手のチームメイトとなったディー・ゴードン外野手は、現在メジャー屈指のスピードの持ち主と言われている。
4月26日(日本時間27日)のクリーブランド・インディアンズ戦でもその俊足ぶりをまざまざと見せつけた。3回2死一、二塁の場面で登場したゴードンは、左中間を深く破る長打を放ち、二塁を回るとヘルメットを飛ばしてぐんぐんとスピードを上げ、楽々と三塁に滑り込んだ。
MLB公式のデータ解析ツール「Statcast」によると、その時の三塁までの到達時間は「10秒86」、秒速9.08メートルと計測され、今季MLB最速の三塁打となった。ゴードンは、昨季は同距離でさらにそれを上回る10秒80のタイムを計測している。
本塁から三塁までの到達時間はメジャーリーグ全体の平均で12秒ほどと言われている。ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が4月12日(同13日)のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で三塁打を放った際のその到達時間が「11秒49」であったことから、大谷の投打に渡る才能に加えてその俊足ぶりも話題になったが、今回のゴードンに比べると0.69秒遅かったわけだ。
ゴードンが叩きだした「10秒86」は、メジャーの平均より1秒以上速い。秒速9.08メートルから計算すると、距離にして平均的な他の選手と10メートル以上の差が出来ることになる。塁間距離約27.4メートル、間一髪でアウトとセーフが分かれる世界で、10メートルの違いが持つ意味は形容し難いほどに大きい。
仮に今季最速をマークしたゴードンが現在のメジャーで最高のスピードスターであるとして(「Statcast」の歴代最速は2016年に記録されたシンシナティ・レッズのビリー・ハミルトン外野手による「10秒45」)、最盛期のイチローとどちらが速かっただろうかとは気になるところだが、残念ながら「Statcast」が導入されたのは2015年なので、詳細なデータは不明だ。