大谷の165キロ速球、体感速度は“超一級品”も…バットに当たりやすい要因は回転数にあり?
MLB公式データ解析ツール「Statcast」の速球部門において、4月30日(日本時間5月1日)現在、球速ランキングの上位50球はたった4投手が名を連ねている。速球部門には、球速のほかに「体感速度」「回転数」の項目があり、この指標を比べると、それぞれの特徴が見えてくる。
2018/05/02
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大谷の速球、体感速度は165キロ
最速50球にランクインしているのは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)、ジョーダン・ヒックス(セントルイス・カージナルス)、タイロン・ゲレーロ(マイアミ・マーリンズ)の新人3人とメジャー速球王の座を4年間守り続けたアロルディス・チャップマン(ニューヨーク・ヤンキース)だ。
「Statcast」によると、30日までの各投手のゲレーロが101.8マイル(163.8キロ)、ヒックスが101.7マイル(163.6キロ)、チャップマンが101.4マイル(163.1キロ)、大谷が101.0マイル(162.5キロ)となっている。だが、体感速度を見るとこの順序に変化が生じる。
体感速度は、球速とリリースポイントを組み合わせて、バッターが感じるスピードを表す。当然ながら、球速が同じ場合、リリースポイントと本塁までの距離が短い方がボールは速く到達する。背が高く、手足の長い投手が大きく踏み込んで投げると、リリースポイントはホームベースに近くなり、バッターの体感速度は増す。
大谷が4月24日(同25日)に投じた球速101.0マイルのフォーシームは、体感速度102.6(約165キロ)だった。このときの大谷のリリースポイントは213センチだった。
ゲレーロが4月30日(同5月1日)に投じた球速101.8マイルのフォーシームは、体感速度102.5マイル。リリースポイントは207センチとなっている。
身長を比べると、大谷が193センチ、ゲレーロが200センチでその差は7センチ。大谷はゲレーロより身長が低いが、リリースポイントは遠い。これはフォームの違いが柔軟性の違いに起因するものだと思われる。