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今季未勝利のダルビッシュ、大型契約1年目ゆえの試行錯誤。苦しみが引き出す爆発力に期待【小宮山悟の眼】

シカゴ・カブスでの1年目のシーズンを迎えたダルビッシュ有投手。開幕から7戦に先発登板し、未だに勝ち星はついていない。6年の大型契約を結んだ右腕に何が起きているのか。

2018/05/16

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決してマイナスにならない試行錯誤、危惧すべきは…?

 ただ、危惧しなければいけないのは周囲からの見え方だ。高額契約を結んだからこそのプレッシャーは相当だろう。ダルビッシュが試行錯誤していることを知らず、ただのんびりしているように見られると「長期契約を結んだからあいつはやる気がない」と言われる可能性がある。
 
 新たな投球フォームにトライしながら、そういうマイナスな見方をされないように結果を示していかないといけない。
 
 ダルビッシュは手を変え、品を変え、試行錯誤を続けている。たとえ結果が出なくても、その姿勢は決してマイナスにはならない。さまざまなことを試すことによって、体の使い方など改めてわかることもあるからだ。
 
 状態が良くないときは同じことを貫くより、変化を求める方が投手として先へ進む良いきっかけになる。
 
 われわれの感覚だと、昨季からフォームを変える必要はないと思うくらい高いレベルだが、ダルビッシュは向上心を持ち、さらに良いものを見つけ出そうとしている。
 
 彼には思い描く完成形があり、そこを目指しているのだろう。いまの苦しみや経験が引き出しとなり、爆発力になると思っている。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。
 
 
氏原英明

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