活躍に疑問の声上がるも開幕問題なし 田中将大&ヤンキース首脳陣は余裕?
オープン戦最終登板となった3月31日のツインズ戦で、田中将大は4回1/3を7安打3失点で敗戦投手。周囲を納得させるだけの内容は示せなかった。また1月に殿堂入りを果たしたペドロ・マルティネスも「田中は今も万全ではない」と今季の活躍に懐疑的な見方を示した。
2015/04/03
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ペドロ・マルティネス「田中は今も万全ではない」
開幕直前を迎え、田中将大の周辺がまた騒がしい。オープン戦最終登板となった3月31日のツインズ戦は、4回1/3を7安打3失点で敗戦投手。周囲を納得させるだけの内容は示せなかった。
「球数を問題なく投げることができたのが良かった。いろんなシチュエーションでも投げられた。シーズンに入る前にできて良かった」
当の本人は晴れやかな表情で、満足げに語った。76球という球数は今キャンプ最多。4試合の登板で、19球、45球、59球と着実にステップを踏んできた。その間、肘や肩への不安は出なかったという。
ジョー・ジラルディ監督も「右肘の張りは登板後に通常あるもの以上ではなかった。いいことだ」と笑顔で合格点を与えた。不安なく、スプリングトレーニングを乗り越えたことに、チームも安どの表情を見せている。
ここで簡単に、昨年のオープン戦の成績と今年を比較したい。
昨年は5試合で2勝0敗、防御率2.16。計21回を投げ、15安打5失点で26奪三振。
今年は4試合で1勝2敗、防御率3.07。計14回2/3を投げ、13安打6失点で13奪三振。
内容の違いは明らかだ。目立つのは奪三振数の差。投球回数の違いこそあるが、昨年は今年の倍の三振を奪っていた。特に最終登板となった昨年3月28日のマーリンズ戦では、6回で二桁の10奪三振をマーク。魔球スプリットを軸に、何度もバットに空を切らせた。
ここまでのところ、地元メディアの目は田中の右肘に懐疑的だ。手術の可能性を捨てきらず、ニューヨーク・ポスト紙は「ヤンキースの成績は田中の右肘次第。彼が健康なら上位が狙える」と訴える。
そんな中、田中の状態に警鐘を鳴らしたのが、今年1月に殿堂入りを果たしたペドロ・マルティネス氏だ。1日に米ラジオ局のインタビューに答え、「田中は今も万全ではない」と発言。全米のメディアがこれを一斉に報じた。
「1年を通して健康でいられるとは思えない。速球を(全力で)投げるのをためらっているし、変化球も切れがあるものではない。球速も本来のものではない」と語った。