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ダルビッシュ、今季初勝利を“データ”で読む。威力衰えない速球…上位~中軸に「課題」

2018/05/21

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2回以降、11球以下のイニングが4度。好守にも助けられる

 シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手が20日(日本時間21日)、敵地グレート・アメリカン・ボールパークで行われたシンシナティ・レッズ戦に先発登板し6回1失点と好投。今季初勝利を挙げるとともに日米通算150勝を達成した。
 
 ダルビッシュは初回、2死満塁からスコット・シェブラー外野手に速球を弾き返され、ショートへのタイムリー内野安打で1失点。先制点を許してしまう。この1点とどめたものの、立ち上がりから39球(ストライク24球)を要してしまう展開となった。
 
 しかし、味方打線が逆転した2回以降は11球、11球、15球、10球、8球と一転して少ない球数で打者を打ち取りイニングを稼いでいく投球を披露。特に5回は、先頭打者に死球を与えたものの、バイエズの好守による併殺もあって無失点。味方の守備にも助けられ、今季ここまで計14失点を喫し苦手としていたイニングを無失点で切り抜けた。続く6回はこの日3度目の3者凡退に抑え、この日の役目を終えた。
 
 ダルビッシュはこの日6回94球(ストライク57球)、被安打2、与四球3、与死球2、奪三振7、失点1の成績で防御率を4.95とし、勝利投手の権利を持ってダグアウトから試合終盤を見守った。
 
 カブスは、終盤に加点するとともにリリーフ陣も無失点リレーを見せて6-1で快勝。4連戦のカード3勝1敗で勝ち越しを決めた。先発のダルビッシュは今季8度目の登板で初勝利を挙げるとともに、日米通算150勝(メジャー通算57勝)を達成した。

三振取った速球の平均は95マイル。安打、四死球は上位~中軸に対して

 ダルビッシュが6回を投げ切ったのは今季3度目。過去の2度の登板よりも四死球は多くなったが、素早い腕の振り、ボールをリリースする瞬間に力を入れて繰り出される速球、変化球はともに終始“威力”があった。
 
 この日のストライク率は全体で60.6%。速球は63球を放り、そのうちインプレーの打球も含めて41球がストライクだった。速球が投球の7割近くを占めたこともあり、奪った三振7つの決め球で最も多かったのも速球で4つ。その他スライダーで2つ、カーブで1つだった。この三振を奪った速球はいずれも真ん中より高めで、球速は平均95マイル(約153キロ)。
 
 緩急も駆使し、6回のシェブラーから奪った最後7つ目の三振は、初球と2球目に約150キロ以上の速球を見せた後の3球目に73.7マイル(約119キロ)のカーブを内角低めに放っての空振り三振。タイムリーを打たれて唯一の失点を喫した相手を最後はあざ笑うかのような組み立てだった。
 
 アウトの内訳はゴロアウト3(併殺含む)、フライアウト8、奪三振7でゴロアウトが極端に少なかった。多かったフライアウトでは、8個中6個が速球を打ってのもの。打ち損じが多かった印象だ。
 
 四死球が計5つを数えたのは今季最多だったが、四球を与えたのは右打者の1番アレックス・ブランディーノ内野手、左打者の6番シェブラー、右打者で8番に入っていたタイラー・マール投手に1つずつ。死球はブランディーノ、左打者で4番のスクーター・ジェネット内野手への1つずつ。投手のマール以外は上位から中軸を担う打者に対して与えたものだった。また、許した安打2本も、初回のみではあったが3番ジョーイ・ボットー内野手、シェブラーに対してのもの。
 
 立ち上がりで苦戦したものの、その後は球数を少なくしながら6回まで投げ切ることができた。何より、勝ち星という結果が付いてきたのは大きい収穫だろう。時折抜ける球はあったものの、指にかかった威力ある速球は各打者苦戦していたので、次回以降の登板でも良い投球と2勝目という結果を期待したいところだ。



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